”いろいろあったおんな”の生活の日記

かなり若く見られる高齢女のジャンルを問わない私見を綴ります

お勉強が苦手な中学生☆勉強と脳と親の役目の関係☆脳科学 2

 

Brain

brain v.2

 

 

 

 前回は親が関わる子供の脳の発達や知力の発達について簡単に触れましたが、今回は脳そのものの仕組みも考慮して、親が子供の脳の発達に関わる点を考えてみたいと思います。

 

 

onnanojinsei.hatenablog.com

 

◇脳について簡単に知ってみよう◇

最近、『脳科学』って言葉をよく耳にしますよね。

脳科学』って、なに?

って、尋ねられたらちゃんと答えられますか?

 

ざっくりというと、『脳について研究する』ことが脳科学と呼ばれています。

(まんま、ですねー ( ̄▽ ̄;) )

 

脳については、他の器官に比べ働きが複雑であることや、解剖が困難なことなどから、なかなか研究が進まなかったのですが、最近は、様々な機器の発達によって、研究が進んできたようです。

 

勉強と脳って密接な関係にありますね。

生まれたばかりの赤ちゃんの時には、大きな違いがあるようには

見えませんが、成長とともに他の人と違いが出てきます。

違いは、さまざまで、動きや言葉、反応など、千差万別ですね。

 

生まれた時から、脳には140億個という数の神経細胞があり、それは、大人になってもほとんど変わることはありません。

ただ、大脳の大きさは少々大きくなります。

細胞の数がほとんど変わらないのに、なぜ大きくなるのか?

そこが一番大切なところですねー。

 

脳の神経細胞ニューロン)は他の神経細胞と複雑に結びついていきます。

この他の神経細胞と結びつく部位とその構造をシナプスと言います。

 

Neuron

Nigel the Neuron

 

この神経細胞が他の細胞と結びついていくことが大切なんです。情報が通る道を作っていく過程になるわけですね。

1つの神経細胞の先には、複数の樹状突起とよばれる触手のような部位があり、それらがそれぞれ他の神経細胞樹状突起と結びつくので、1つの神経細胞は複数の神経細胞と結びつくことになります。

 

たとえば、あなたの右手のひらが1つの神経細胞だとしたら、そこに5本の指がありますよね。その指のうち、親指はAさんの指と、人差し指はBさんの指と、中指はCさんの指と、薬指はDさんの指と、小指はEさんの指とくっつける、、、と想像してみてください。

こんな単純な作りではありませんが、そのように、1つの神経細胞からは複数の樹状突起が出ていて、それぞれが別の神経細胞樹状突起と結びついていきます。

このように神経細胞が結びついて広がっていくために、大脳は少し大きくなるんです。

 

これが脳内での情報伝達のルートになるわけですね。

例えば、糸電話の糸の役目のイメージです。

(あくまでもイメージで、そんな単純なものではありませんが・・・)

 

こうやって、情報伝達のシステムは作られていくわけですが、いつ作られるのでしょう。

脳が刺激を付けたときに、その刺激によってシステムが構築されていくと考えられています。

刺激 - それは、赤ちゃんが何かに触れたときの感覚、音を聞いた時の感覚、光を感じた感覚など、あらゆるものが赤ちゃんにとっては初めてです。すべてが赤ちゃんにとっては学習になるわけですね。

何と言っても、人になって世の中に出てくるのは初めてなのですから。

それらの刺激が脳内のシステムを作り上げていくことにつながります。

 

例えば、赤ちゃんの脳は、届いたばかりのパソコンに例えることができます。

インターネットに必要な機器は全てそろっているけど、ちゃんと配線がつながっていない、という状態ですね。

この配線は、何か刺激があると、つながっていくということです。

そして、複雑な配線をすべて終えると、膨大な情報をもつインターネットを使って、情報を検索したり記憶させたりすることができます。

 

幼稚園で、歌を歌い、おゆうぎをし、複数の子供たちと一緒に何かをする、お友達と喧嘩をして痛い思いをしたり、親から叱られたり、と、全てが子供の脳に刺激を与えていきます。そしてそれにより学びます。それが脳のシステム構築につながっているんですね。

当然、学校で勉強をすることは一生懸命考えることが多く、また新しい知識を与えられるので、非常に良い刺激となり、脳のシステムをどんどん構築していきます。

 

こういったことを、脳の発達というわけですが、では、脳の発達は遺伝により左右されるのでしょうか?

基本的な神経細胞の構造や働き方は遺伝によって左右されるとみられていますが、その神経細胞を十分に生かした活用ができるかどうかは、環境に大きく左右されると考えられています。

一卵性双生児においては、同じ遺伝子をもった子供が異なる環境で育つことにより知能に違いがみられるということからも、後天的なものが大きいようですね。

 

と、なると、やはり親としては我が子を「頭の良い子」に育てたい、と思うわけですが、では、まず、「頭の良い子」とはどんな子をさすのでしょう?

 

学校のお勉強ができる子

 

っていうイメージが強くないですか?

他には、

 

IQ(知能指数)の高い子

 

ってイメージですかね?

 

一般に、IQの高い人は、学歴が高いという相関関係はあるようですね。

このIQの数値はテストで計ることができます。

テストと言っても、学校のお勉強のようなテストではなく、

皆さんも一度は受けたことがあるのではないでしょうか?

 

IQテストには2種類があります。

 

1.生活年齢と精神年齢の比を比較した数値を基準とするもの

2.同年齢の集団の中での位置を基準としたもの(偏差知能指数

 

1.の方法が一般にIQテストと言われることが多いようです。

 

IQは、標準値が100であり、85~115の間に68%の人がおさまり、

75~130の間に約95%の人がおさまると言われています。

 

ちなみに、ギネスブックで認定されている世界で最も高いIQの

持ち主は、アメリカ人女性で、そのIQは228と記録されています。

 

ただ、IQと知能は本来別のもの、と言われています。

IQテストは、ざっくりと分けると言語テストと運動機能のテストの2つになります。でも、人の能力って、この2つだけにカテゴライズできないですよね。

向上心や、積極性、人を思いやる気持ち、注意力など、様々な要素があります。

全てのバランスがちゃんととれていること、それが知能が高いと言えるのではないでしょうか?

そして、これらの機能をつかさどるのが大脳の前頭連合野なんですね。

つまり、人が他の動物と大きく違う点をつかさどるこの部分が如何にうまく機能しているか、が大切なわけです。

 

この機能を作り上げているのが、上記で述べたニューロンの作り出す情報伝達システムであり、うまく機能しているかどうかが大きなポイントとなるわけです。

 

そういえば、昔よく、

「脳は1割しか使われていない。あとの9割は使わずに終わる」

っていうような言葉を聞いたことないですか??

 

それは、今では大きな間違いだとわかっています。

最初に脳には140億個の神経細胞があるとお話ししましたが、これは脳全体の細胞の約1割にしか過ぎないことがわかっています。残りの9割はグリア細胞と呼ばれる、神経細胞に栄養を送る役割を担っています。

しかし、近年、このグリア細胞にも神経細胞へ情報を伝達する役割があることがわかってきました。

 

 

◇大脳◇

Brain Model

Cerebrum Anatomy Unlabeled


 

 

 大脳は、

前頭葉(上の図の赤い部分)

頭頂葉(上の図の青い部分)

後頭葉(上の図の青のとなりの茶色い部分)

側頭葉(上の図には載っていませんが、前頭葉頭頂葉の下側に位置します)

と、4つに分けることができます。

 

大脳の表面はしわしわになっていて、大脳皮質と呼ばれます。

脳のしわが多いと頭が良い

なぁーんて言葉、聞いたことありませんか?

それ、関係ないですからねー

いまどき、それ言う人、かなり高齢ですな

(って、私の年代かっ!!( ̄▽ ̄;) )

 

このしわは、深さとか曲がり具合については、多少の差はあるものの、

位置は決まっていて、それによって、上記の4つに分かれるんですねー。

 

ただ、この4つの部位は、大脳の表面(大脳皮質)を区分けしたもので、

内側は大脳辺縁系と呼ばれる部位になります。

(表面部分も含めて大脳辺縁系と呼ぶ場合もあるようですが・・・)

 

ざっくりというと、外側の表面では、思考や理性をつかさどり、

内側では、本能をつかさどる、、という役割分担になっています。

 

前述しているように、脳の神経細胞ニューロン)が複雑に結びついて発達していくことで、知識を蓄えたり、考えたりすることができるようになっていきますが、まだ、この部分が未発達な時期には本能が理性より勝ることになります。

 

小さな子供は、『アレ、買ってーー』と、駄々をこねて公道や店内で泣きわめくことがありますが、大人がそういう行動をとることはありませんよね?

それは、思考が発達して、本能のままの行動をとれないと判断し、理性で本能を抑えるからですね。

 

前頭葉

大脳の前の部分に位置しています。

脳はどの部位も大切ですが、ここは人が人である為に一番重要と思われるところです。

なぜなら、ここでは、人の思考や理性を制御しているからです。他の動物と一番大きな違いをここで作り出していると考えられています。

思考や理性の制御ということは、計画性や社会性、学習などにかかわるということですね。

(といっても、脳は複雑に作られていて、まだまだ全容が解明されていないので、他の部分が大きく影響している可能性も否めませんが)

ちなみに言葉を話す機能や、身体を動かしたりする機能もここが制御していると言われています。

 そういえば、

 

ロボトミー

 

っていう言葉を聞いたことないですか?

内容を知らない人でも、この言葉はなぜか知っている人が多いですね。

 

これは、チンパンジーの前頭葉を切断したところ、性格が穏やかになったことから、人の前頭葉を他の脳の部分と切り離すという手術がおこなわれたものです。

怖いですねー( ̄▽ ̄;)

前頭葉を他の脳と切り離す・・・・想像しただけで、ゾッとします・・・・

でも、脳についての研究が進んでいなかった時代、また、精神病の薬もなかったことから、世界各国で行われたようです。

また、1949年には、このロボトミー手術の術式であるモニス術式の考案者であるモニスに、なんとノーベル生理学・医学賞が授けられています。

 

とはいえ、副作用も多く、手術から生還できないことも多かった上に、脳の研究が進んでいない中での手術は人体実験に近い要素もあり、また、抗精神病薬の飛躍的な発展によってロボトミー手術は廃れていきました。

ちなみに、このロボトミーのロボは脳を切り取りロボットのようにする、、というイメージで、「ロボット」を意味していると思っている人が多いようですが、脳や肺などの臓器の構成単位の『葉』(lobe)を表しています。

 

前頭葉が損傷することにより、機能しなくなると、

 1・人間らしい思考ができなくなる→考えることができない

 2・理性が働かず本能のままに行動してしまう→我慢ができない

 3・言語機能に障害が起きる→意思の疎通が難しくなる

 4・運動機能に障害が生じる→思うとおりに手足を動かすことができなくなる

などの問題が起きてきます。

 

ここで、私は思うのですが、上記の全てに当てはまるお子さんが多いのです(- -;)

勿論、脳に障害を持っているようなレベルではないのですが、まず、1の問題については、論理的に思考することができないお子さんが非常に多いのです。

先に述べたように、例えば数学の、「時間・距離・速さ」などの単元などにおいて、

『速さは単位当たりの時間に進む距離を表すから、時速2キロだと、1時間に2キロ進むことを表すから、3時間進むと、2 x 3 =6 で、6キロ進むことになる』

と、いうように、論理的に考えることができません。

この基本が理解できていない為、まず数字が文字になり、

1時間にAキロ進む車がB時間走ると進む距離をAとBを用いて表せ 

と、言われると、もう答えを出すことができなくなってしまうのです。

 

以前の記事 ↓ をご参考まで。。。

onnanojinsei.hatenablog.com

 

当然、証明問題なんてできるわけがありません。

こうやって中学で使う数学の基本となる考えは、小学校の算数で作られるのですが、小学校の頃には、「小学生のような小さな子供は論理的に考えられなくて当たり前」とか、「うちの子は早生まれだから、理解力が少し遅いだけ」とか、「通信簿で悪く書かれていないから大丈夫」とか、意味不明のこじつけで、自分の子供が物事を考えようとしないことを正当化する、あるいは、気付かないで過ごしてしまい、中学では結局その延長線上に子供がいることになってしまっている気がします。

 

私に家庭教師を申し込んでこられるご父兄の半数以上が、上記のようなご父兄でした。中2の終わりや中3の初めに高校受験の為に家庭教師を申し込んでこられるのですが、正直手遅れ感を否めないお子さんがほとんどです。

ごくまれに、小学校のうちにちゃんと考えることを教えたいので、学校の授業より遅れても良いので、1つ1つ丁寧に考え方から教えて下さい、という、非常に優れたご父兄に巡り合うことがあります。と、いうよりこの数十年の間にお一人だけそういうお母様がいらっしゃいました。

母子家庭なので、自分が子供の勉強を見てやれないし、自分は学が無いので子供に正しく教える自信がない、だけど、一生懸命働いて、子供に教育という財産を残してやりたいという考え方でした。

私はそのお母様の思いにお応えしたいと思い、一生懸命「自分の頭で考える」という授業を中心に行いました。

小学校3年生から教え始め、高校3年生までずっと教えましたが、最終的にそのお子さんは現役で、東大に合格されました。

正直なところ、ご家庭の状況から授業料は他のご家庭の半分ほどしか頂きませんでしたが、教えていて楽しかったのは事実です。

自分の頭で考えることが分かっているお子さんは、ちゃんと的を射た質問をしてきますし、こちらがした質問に考えて答えてくれます。

他の頭を使わないお子さん達と違い、根拠なく思いついた言葉や数字をすぐに口にするような行動はありません。

多くの子供たちを個人対個人レベルで見てくると、かなり大きな差があることが分かりますし、そのお子さんがどのようにしつけられてきたか、またどのような会話を親子でしているか見当がつくものです。

 

次に、2・理性が働かず本能のままに行動してしまう→我慢ができない については、

勉強が嫌いだからしない 

で、終わってしまうお子さんが大多数であることです。

子供たちは勉強はしなければならないもの、です。

ごく一握りの特殊な人々を除いて、一般的に大人は働くことで、生活を支えています。

日本においては、ありがたいことに、子供達は勉強することが権利であり、義務なのです。

何より、脳について述べてきましたが、勉強は脳にとって非常に大切な刺激となります。ここで勘違いしないでほしいのですが、勉強することだけが脳にとって大切な刺激というわけではありません。しかし、多くの場合、例えば、小学校、中学校の合計9年間、学校の勉強にまっすぐに取り組む子供と、ゲームやアニメだけに時間を費やする子供に脳の発達の違いがみられるのは仕方がないと思いませんか?

まぁ、そんな臨床データはないので、数値で表すことはできませんが、少なくとも私の知っている範囲では、高1の段階で、前者と後者では、顕著に思考や知識に関する違いを見ることができました。

 

また、中3から教え始めた子供の一例ですが、小学校のときに私立受験をし、中学から私立に入学していました。その私立校は大学まであるので、その子は、いったんその中学に入学したら、あとは遊んでいても大学まで行けると思っていました。

しかし、世の中そんな甘いものではありません。たかが、偏差値40あるかないかの私立中学ですが、中学から高校へ内部進学するには、中1から中3までの全定期テストの平均値がある一定以上(と、いってもかなり低いレベルですが・・・)必要でしたが、それに満たない生徒は内部進学ができない規定だったので、その子は、中3の夏休み前に担任から内部進学は出来ないから、受験準備をしなさいと言われたのでした。

中3の夏休み前に、お母様から家庭教師のお申込みがありました。

教え始めたときに、「あれ?この子は頭はいいんだな」と感じました。そうなんです、その子は決して頭が悪いわけではなく、ただ勉強しないだけの子だったのです。

例えるなら、本や映画でヒットした、「ビリギャル」の男の子バージョンだったのですね。ただ、問題はその子はビリギャルの主人公と異なり、努力をしない子でした。

どんなに言っても、宿題はしない、復習はしない、というわけで、週に2回の授業は、毎回同じ事を教え直ししなければなりませんでした。

脳の忘却曲線を絵に描いたような感じで、教えても復習も宿題もしないので、教えたときは理解するのですが、すぐに忘れてしまうんですねー。

また、中学入学後、一切頭を使ったことが無かったようで、中1の最初に習うことからすべて理解していませんでした。

ご父兄の要望としては、なんとか夏休み後の試験からかなり高得点を定期テストでとって、最終的に平均点が内部進学の合格ラインに届くようにしたい、という事でしたが、

何と言っても本人がやるべきことをやらないので、どうしようもありませんでした。

話をすると、「やらなければならないことは分かっている。でも、なんかさぼっちゃうんですよねー」ということで、まぁ、一言で言えば甘いんですよね。何とかなると思っているんでしょうね。やらなければならないけど、やりたくないからやらない。だって、勉強嫌いだもん。というのが本音です。

と、いうようにやりたくない事でも我慢して頑張る、ということができない、つまり脳の機能が壊れているような感じですね。

 

3・言語機能に障害が起きる→意思の疎通が難しくなる という点についてですが、これは、本来の脳の機能の障害というレベルではないのですが、日本語があやしいお子さんがたくさんいるのです。

簡単なことを説明することができない。

たとえば、自宅から学校までの道筋を説明してみて、というと、

『えっと、家を出て道をまっすぐ行って、なんか、途中で右にまがって~』というような意味不明の説明?をします(説明になっていない!)。

家を出て道をどちらへまっすぐ?なんか途中で、ってどこ?

そして、中学生レベル、高校生レベルでは当然知っているはずの言葉を知らない、、、。

そして、明らかに文法的におかしな表現をする。

英語の授業などで、受動態の授業をしていると、「~される」という表現ができない。例えば、

This picture was painted by Picasso.

この絵はピカソによって描かれた

と、いうところですが、この絵はピカソが描いた という訳しかできず、

受動態を何度も説明して、どう教えても、どうしても「~された」と

いう表現に変換できない子が多いんですね。

勿論内容的には「ピカソが描いた」には違いないのですが、受動態の授業においてそれでは、話になりません。

Picasso painted this picuture. と区別がつかなくなります。

 

以前、『最近何を食べてもおいしくて。天高く馬肥ゆる秋、でもないのにねぇ』と中3の生徒に言ったところ、『先生、馬がどうしたんですか?』と尋ねられました。

その生徒曰く『そんな言葉、人生で聴いたことがないし、絶対、学校の誰も知らない』とのこと。

疑問その1、なぜ、中3でこのことわざを人生で聴いたことがないというのかな?

(聞いたことがあるかもしれないけど、覚えてないだけかもと考えないのか?)

疑問その2、なぜ学校の誰も絶対に知らない、と言い切れるの?

と、素朴な疑問が頭をよぎったのですが、とりあえず

「じゃあ、自分でこのことわざを調べてみましょう。ご家族に尋ねても良いですよ」と

宿題にしたところ、翌週の答えは、「先生、やっぱりお母さんも知らなかったよ。おばあちゃんは知ってたけど。普通は知らないよ」と言われてしまい、唖然としたことがありました。

やっぱり、子供の知性は親が作るんだなぁとつくづく感じた出来事の1つでした。

 

4・運動機能に障害が生じる→思うとおりに手足を動かすことができなくなる

これについても、脳に障害があるレベルの話ではないのですが、非常に不器用な子供が多いですね。(ちょっと話が違いますが、そもそも字の汚い子供が多すぎる気がします。)

中学生に合同や相似の説明をする際、かなり成績レベルの低いお子さんには、紙を切って説明することがあるんですが、紙を折ったり切ったりするときに、ものすごく雑な切方や折り方しかできないんですね。

〇〇君、どうして、点線で折ってって言ったのに、こんなにずれてるの?

と、尋ねると、

ちゃんと折ったつもりなんですけど、、、、

という答えが返ってきます。

一事が万事この調子で、かなり不器用なんだなぁと感じることが多々あります。

 

と、いうように、人間の思考や理解、記憶、など、人間として最も大切と言われる機能をつかさどる前頭葉ですが、物理的に脳に障害がない状態でも、発達において問題があるのではないか・・・・と感じることが多々あります。

 

脳は約140億個の神経細胞を持っているとお話ししましたが、初期の胎児には1000億個のニューロンを作り出します。そして2~3歳の頃は、約1000兆のシナプスを持つようになります。

これは、必要な量よりはるかに多い数のシナプスと言われています。

やがて、脳に与えられた刺激によって作られた1000兆個のシナプスのうち、刺激が続くものは、残り強化され、刺激がなくなったシナプスは退化していきます。

こうやって、必要な脳の配線が残っていき、残った配線が強化され、また情報伝達が早くなるような仕組みが作り上げられていきます。

脳の配線が強化され、生き残るのは、刺激が続いたシナプスだけになります。したがって、何度も同じ本を読むと覚えてしまうように、刺激が繰り返されるシナプスはしっかかりと強固なものとなり、さらに情報伝達が早くなるように作られていきます。

この配線がされる時期にいかに脳に多種多様な刺激を与え、シナプスの結びつきを強化するか、が脳の発達において大切なことになりますが、それは、いつなのでしょうか?

 

科学的に脳の発達は3歳までに約80%、6歳までに90%、12歳までに100%完成すると言われています。先ほど触れたように、2~3歳の脳のシナプスは爆発的に多い数で、その後、使われることがないシナプスが退化していくとお話し致しましたね。

0歳から12歳というと、乳児、幼児、小学生の時期です。

特に3歳までの時期に赤ちゃんが母親と過ごすことがとても大切だと再認識されてきており、この時期に人格の基本部分が完成すると言われ、「心の器」が育つ最重要時期だという脳科学者もいます。

 

こういう情報について考えるたびに、自分が教えて来た、そして教えている生徒の事を考えてしまいます。

勿論、自分の子供について真っ先に考えます。

いまでこそ、脳科学という分野が急速に進歩し、まだまだ分からないことの方が多いとはいえ、かなり様々なことが分かってきました。

こういう知識をできるだけ多くの方が持ち、それを少しでも子育てや教育に生かせればいいのに、、、と心から思う次第です。

 

 

頭頂葉

名称の通り、頭のてっぺんのやや後ろよりにあります。

この部分は、感覚の情報をまとめて認識する役割を担っています。また、空間感覚とその認識を行っているので、目から入った情報を自分の体感に置き換える役割もしているとされています。

 しかし、大脳の他の部位に比べてあまり解明が進んでいない部分でもあります。

 

 

★側頭葉★

こちらも名称の通り、脳の側部にあります。こめかみのあたりですね。

ここで、一番重要な機能は『記憶』でしょう。また、聴覚と嗅覚の判別も行っています。

耳から音は聞こえているけど、それがどういう内容なのかを判断するんですね。

側頭葉にトラブルが起きると、

耳の機能には問題が無く、音は脳に届いているのに、それが何を意味するのか判断できない。

嗅覚についても同様で、においは感じるけど、何のにおいか判別できないという現象が起きてしまいます。

また、昔のことが思い出せず、新しい事も覚えられないという現象が起きます。

 

後頭葉

大脳の後ろの法にある部分です。

ここは主に視覚を認識する部位になります。

ですから、この部分に問題が起きると、

・目は情報をとらえているのに、脳がそれは何かを識別できない、

・目には異常がなくても正しく見えない(判断できない)

などのトラブルが起こります。

 

 

このように、脳はいくつかの部位に分かれ、それぞれがいろいろな働きを担っていますが、うまく情報がつながらないと単純な行為もできなくなります。

 

例えば、あなたが街を歩いているときに、友人を見かけて声を掛けるとします。

このときに、まず、あなたの目が周りの景色をとらえます。その景色を後頭葉が認識し、側頭葉があなたの友人の記憶を引っ張り出して、前頭葉に送ります。前頭葉で、「あ、この人は友人のAさんだから声を掛けよう」と判断します。

 

と、いうように、脳は全体でバランスよく働くことで人としての機能が成り立つわけですね。

 

非常にザックリとですが、大脳の働きはお分かりいただけたかと思います。

 

★勉強と脳★

 

脳はいろいろな刺激により、働くようになっています。

最初に述べたように、脳の神経細胞同士が刺激によりつながり、配線が出来上がっていくんですね。

この複雑な配線を作る時期がちょうど子供が乳児~中学生頃までの間が一番活発だと言われています。

日本の義務教育は的を射た時期なんですねー。

この時期に、

・勉強が嫌いだからやらない

・関数なんか知らなくたって大人になって困らない

などと、バカなことを言っていると、脳の配線がしっかりと作られないんですね。

(のちに述べますが、作られた脳の配線を強化する働きも、脳への刺激によって行われます)

 

日本史を学ぶのは、日本の歴史の知識を得る為だけではなく、

植物の作りを学ぶのは、植物の部位の名前を覚えるためだけではなく、

一次関数を学ぶのは、一次関数の問題を解く為だけではなく、

英単語を覚えるのは、英語を話せるように成る為だけではないのです。

 

ですから、今までに何度も申し上げていますが、思考する、ということをしないで、ただ丸暗記しただけの知識はすぐに失われてしまいます。

 

まれに、親が子供に、

『関数?そんなのわからなくても、生きていけるよ』

などと言う人がいるようですが(私には驚きですが。。。)、

それは、親が子供に

『やらなければいけない事でも、やりたくなければやらなくていいんだよ。それでも人間は生きていけるから。頭が悪くても生きていけるから別にいいんだよ』

と、言っているのと同じだと私は思います。

確かに 生きていく→命をつなぐだけ なら、可能でしょうね。

ホームレスの方々だって、生きて行けますから。

 

人に生まれて、人だからこそ持っている脳の働きを生かさずに、野良犬(最近見ることは稀ですが)や、野良猫と同じように生きていくだけで良いのならそれでいいのかもしれないですが・・・。

 

だから、勉強するということと、脳の発達はかなり密接な関係にあると言えるでしょう。といって、0~3歳の爆発的な神経細胞の増加時に『勉強』だけに結びつく刺激だけを与えることが良いというわけではありません。

 

脳は先ほどもお話ししましたように、各部位が密接な関係をもって働いています。偏った脳の発達を促すような行為は、決して良いとは言えません。

人としてのバランスがとれるように、偏ったものではなく、その子の人格の基本を決めることにも関わるのですから、いろいろな刺激を与えてあげましょう。

裸足で砂を歩くことや、雪を直接手で触ってみたり、緑があふれる森林に身を置いてあげるとか、一般的に情操教育と言われることも非常に大切です。

動物や高齢者と触れ合うこともとても良い事ですね。

 

最近は、経済格差が教育格差につながるということが言われていますが、たしかにそれも一理あります。

 

以前私が教えていた生徒に、私立中学受験をし、合格したら、あとは一切勉強しなくても大学を卒業できると思っていた生徒がいましたが、その子は中3のときに、担任から、『内部進学はできないから、高校受験の準備をした方がいいですよ』と言われ、ご父兄が『何とかしてほしい』と泣きついてこられました。その時点から私が教え始めたのですが、中3の2学期から教え始め、かなり成績を上げましたが、中1から中3までの定期考査の平均点数が0.1点足りず、内部進学ができませんでした。

たかが、0.1点の平均点など、「平常点にゲタをはかせればどうにでもなる」点なのですが、その子は怠け者で考え方が甘いことが担任に嫌われたのでしょうね。

結局、偏差値40もない中学で内部進学できない子が、他の高校を急に受験したからと言って、受かるようなところは限られています。

ところが、お母様のお母様(生徒の祖母ですね)が、教育関係に縁を多くもっていらっしゃったようで、偏差値50(特進クラスは偏差値55~57位)の私立高校に入学できました。

当然、授業についていけるわけがありません。ご父兄は、肩書にこだわる方だったので、その子の実力でも入れるようなレベルの高校へ行かせるのは嫌だったのでしょう。

それなりのお金を使って、入学できたようです。

と、言うことは、その私立高校は大学付属なので、また高3のときに同じことを繰り返し、その大学へ内部進学するのでしょうか?

そのようにしてようやく高校生になったのですから、少しはちゃんと勉強してくれるかと思いきや、宿題はやらない、暇があれば、スマホばかりいじっている、、、という状態で、やる気がまったく見られないので、もう教えないことにしました。辞めさせていただきました。

 

この子はこのまま変わらなければ、おそらくろくな大人にならないだろうなーとしか思えないのですが、自分の子供ではありませんし、ご父兄にも本人にも散々お話をしてきた結果なので、もうどうなろうと私の知ったこっちゃありません(笑)

 

不思議なのが、この子達(なぜ、『達』かと言うと、実は兄妹を教えていました。)、一見真逆のタイプに見えるのですが、教えていると、兄も妹も非常に性格や価値観が似ていることが分かりました。

やっぱり子供を作り上げるのは親なんだなぁ、、、と心から思いました。

しかし、ご父兄は、子供たちが実は似ていることに全く気付いておられず、

『同じ親、同じ環境なので、どうしてこうも兄と妹は違うのか。。。』

と、しょっちゅう私にこぼしておられました。

 

もし、あなたが子供に不満を感じたり、理解できないと思うのであれば、第三者の目で見てもらうと良いかもしれませんよ。

きっとあなたが気づいていないだけで、子供というのは、親のしていることや話す内容を観たり、聞いたりして自分を作り上げていっているからです。

 

あなたは、ちゃんと子供に必要なことは教え、しつけもしている、、、つもりかもしれませんが、もしかして、子供が聞こえるところで、うっかり他人の噂話や陰口を言っていませんか?

ものの価値をお金だけではかるような発言をしてしまっていませんか?

子供にはしてはいけない、、、と普段言っていることを、自分がやってしまっていませんか?「自分は~~という理由があるからいいんだ、、」と自分に言い訳をしながら。

 

子供の脳はそれらを見て、聞いて、脳の情報システムを作り上げていきます。子供からみたら親は自分のお手本なのですから、あなたの足跡の上を子供は歩いていきますよ。

 

数多の子供たちを教えてきましたが、家庭教師という立場に立つと、生徒を通してご父兄の姿がとてもよく見えます。

普段この親子はどういう会話をしているのか、どういう食事をしているのか、ご父兄の価値観はどういうものか、などなど、素通しのガラスを覗くように見えてしまいます。

 

そういったことを通して、以前(と言ってもずいぶん昔で、私が若いころの話ですが)、ある時、ふと気づきました。

生徒とご父兄はほぼ同じ価値観や知識の蓄え方をしていると。

勿論子供と大人では持っている知識量は全く異なります。

しかし、年齢に対して持っている知識の量を考えると、それらは比例しているようでした。

つまり、非常に常識があり、知識も豊富なご父兄の子供は、学齢に比べ、非常に豊富な知識や倫理観を持っており、逆に、非常識としか思えない発言をし、世間一般の知識も少ないと思われるご父兄のお子さんは、同じ学齢の子供に比べ幼稚で、知識も少ないのです。

 

100%その通りだとは申し上げられませんが、ほぼその通り、、、と言っても過言ではないと思います。

 

家庭教師をしていて、英語や数学など勉強を教えるのが仕事ですが、しかし、現実には英語や数学を教えながら、常識や物の見方、考え方、を親と子供に教えているような感じでした。

なぜなら、何度も言っているように、「本人にやる気がない場合は、どんなに教えても無駄」だからです。

学ぶことがどうして大切なのか、逆に学ばないとどういう未来が待っているのかを教えて、本人にやる気になってもらわないと、何を教えても本当に時間の無駄になるだけなんです。

 

それを説明するには、

エビングハウス忘却曲線

を考えて頂くとわかりやすいかと思います。

 

エビングハウス忘却曲線とは*

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが記憶に関してデータをとったものです。無意味な文字の羅列(音節)を覚えて、その覚えた文字の羅列を再度覚える為に要する時間を計算式で表しました。

一般的に記憶したことは、

 

20分後には42%忘れる

1時間後には56%忘れる

9時間後には64%忘れる

1日後には67%忘れる

2日後には72%忘れる

6日後には75%忘れる

31日後には79%忘れる

 

と、いう結果になっていますが、これは、最初に述べたように

意味を持たない文字の羅列 なので、意味をもったものであれば、

上の結果には直接結び付かないと言われています。

例えば、8桁の数字の羅列 例:58137462 は覚えるには時間がかかり、覚えていられる時間も短いと思いますが、それがもし、あなたの大切な人の生年月日、1995年11月30日のような物でしたら、覚えていられると思いませんか?

 

つまり、勉強でそれが起きるわけです。

 

「なぜそうなるのか」を理解すれば、覚えやすいですが、

全く意味が分からずただ丸暗記しようとすれば、なかなか覚えられず、折角覚えてもすぐに忘れてしまいます。

 

ですから、やる気のある生徒は、なぜそうなるかを知ろうとします。

しかし、そうではない生徒は、なぜそうなるか、を考えようともせず、教えても知ろうとせずに、ただ、結果だけを丸暗記しようとします。

 

これは、言い換えると、前者は、

「知識を得ようとする」

と言えますが、後者は、

「次のテストで点を取れればいい」

というように、学ぶことの目的が異なっているのです。

 

ですから、前者はテストに出るか出ないかで学ぶ内容を判断しませんが、後者はテストに出るか出ないかで、学ぶ範囲を決めようとします。

 

そして、この価値観の違いは、普段の生活の中で生まれると私は感じました。

物事の表面を繕うことを第一に考える大人の元では、子供も同じ価値観で育ちます。

しかし、物事の根本を考える大人の元で育った子供は、同じように考えることをします。

 

例えば、小学校低学年の子供を連れた母親がスーパーマーケットで、買い物をしているところをイメージしてください。

子供が青果売り場で売っている、「桃」に興味を持ち、指で押してみたと思って下さい。

Aの母親は、「ダメよ。何やってんの。お店の人に叱られるでしょ。買わなきゃいけなくなるじゃない。高いのに」と、言い、

Bの母親は、「やめなさい。桃はとっても柔らかくて触るとそこから痛んでしまうの。だから、あなたが買うのならいいけど、買わないのなら、売っているものに傷をつけることになるんですよ。他の人が気が付かないで、あなたが痛めたものを買ったら申し訳ないでしょ?他人に迷惑をかけちゃいけませんよ。だから、今日はあなたが触ってしまったからこれは、ちゃんと責任をもって買いましょうね。だけど、この桃を買うから、今週のあなたのおやつを買うお金が無くなってしまったから、今週はおやつは無くなっちゃうのよ。でも、興味があったから桃を触ってみたかったんでしょ?今日のおやつに桃を食べようね。」

と、子供に話したとしましょう。

文字にするとずいぶん長いセリフですが、実際に話すと大した時間はかかりませんよね。

普段の何気ない会話や行動でこれだけの違いが毎回毎回生じていれば、育つ子供の質が変わるのは当然ではないでしょうか?

 

こうやって育ったそれぞれの子供たちが、勉強に対して見せる姿勢が異なるのは当然のことで、世の中、「一事が万事」という言葉通りです。

 

そこで、遅まきながら、私が家庭教師として教える生徒には、Bの母親の役目のしながら勉強を教えていくのですが、残念ながら、それが理解できないご父兄も大勢いらっしゃいます。

つまり、「もっと公式を覚えさせてください」「もっと宿題を出してください。そうしないと勉強しないから」というご意見が出てくるんですね。

だから、それができないから、こうやってるんです、、、と言う説明をしたところで、すでに大人であるご父兄は、「自分はちゃんとした大人だ」と思っているので、私の話を聞く耳を持ちません。

ですから、私は『申し訳ございませんが、お宅のお子さんは私では力不足で教えることは出来ないようです』と、辞めさせていただきます。

きっと次には、ただ公式を覚えさせ、英文を暗記させるだけの家庭教師を迎えて、その子は将来受験に失敗するのでしょう。

なぜなら、短期の記憶だけでは、受験は乗り切れないからです。

 

私の授業では、『復習』に重点を置いています。

新しい単元は、その単元ではどういう事を学ぶのかをまず教え(その単元を俯瞰で見た話をします)、次に具体的に丁寧に1つずつ考え方を説明していきます。

これらの基本を十分理解することが一番重要です。

そして、この理解した内容を、当日の夜、翌日、2日後、と必ず復習してもらいます。

復習は自分が教わった内容を、誰かに説明することにより行ってもらいます。

例えば、ご父兄や兄や姉など。そして、次の授業の際に、生徒が私に説明をします。そのときに、間違っている箇所や、理解が浅いと思われる個所について質問をして考えてもらいます。それらが終わったら、次には、その説明をしてもらった単元の問題を自分で3つ作ることを、次回までの宿題にします。

 

これらの過程で、1つ非常によく起きる問題があります。

それは、

『わかってるんだけど、どう説明していいかわからない』

と、多くの生徒が言うことです。

実は、これは、『わかってるんだけど、どう説明していいかわからない』のではなく、

わかったつもりになっているけど、実はわかっていない、ということを自分で気付いていない

と、言う現象なんですね。

確かに、日本語が不自由な子供が多いのは事実ですが、彼らは自分がよくわかっていることは、多少表現に問題があってもそれなりに説明できるんです。

ところが、わかっているつもりになっているだけで、実はきちんと理解できていないことは、言葉で説明することができないんですね。

 

大人でもこの現象はよくありますよね。

例えば、「スピンオフ」という言葉がありますが、

「あの映画のスピンオフで〇〇が主役の映画、やるらしいよ」と

言う使い方をみんなするので、使っている人はスピンオフの意味を

理解しているつもりですよね。

でも、スピンオフを知らない人が、「スピンオフって何?」と尋ねたら、

あなたは、ちゃんと説明できますか?

 

☆スピンオフはちゃんとした英語で、spin-off として表現されます。

名詞の場合は複数形(spin-offs)もあり、形容詞としても使われます。

spin(スピン)といえば、車のスピンやフィギュアスケートのスピンを連想しませんか?

そうです、spinには、回す、回転させる、という意味があります。(ちなみに、(糸や綿を)紡ぐという意味もあります)

off (オフ)には、~からそれて、~から離れて という意味があります。

ですから、spin-off (スピンオフ)という言葉は、基本的には、回転してそれる という意味なんですね。それが語源になり、回転することにより、そこから飛び出したものという意味で、『派生したもの、副産物』、というような意味を持つんです。

ですから、映画やTVドラマだけに使われるわけではなく、ビジネスにおいては、本社から独立した子会社を作る、という意味でも使われます。

 

きちんと正しく理解していれば、説明ができますが、知っているつもりだけで、実は正しく知らないと、おそらく、「なんか、映画とかで脇役が主人公になって別にできるシリーズみたいなやつ」位の説明しかできないのではないでしょうか?

これは、まだ具体例を知っているのでこの程度の説明ができますが、生徒の場合、新しい単元を「分かっているけど言葉で説明できない」という場合は、通常それは、「本当は理解していない」ことを指し、かつ本人は「分かっていないことを分かっていない状態」を表します。

 

如何でしょうか?

お勉強が苦手な子供は多くの場合、親が作り出していることをご理解頂けましたでしょうか?

現実には、「とんびは鷹をうまない」し、「カエルの子はカエル」なんですね。

ただ、これらは、私が言っているのは、遺伝子レベルの話ではなく、育つ環境での話ですよ。まぁ、多少遺伝子レベルの影響があることも否めない部分もありますが。

(基本的な脳の神経細胞の構造や働き方は遺伝子で決まります。でも、同じ遺伝子を持つ人間(一卵性の双子など)でも、環境が異なることで、知能に大きな差が生まれることが分かっています)

 

子育てはやり直しができません。

だって、タイムマシンは今の時代にはないのですから。

だから、親自身が多くの事を学ぶべきですよね。

子供にやみくもに、「勉強しなさい」などと抽象的なことを言う前に自分がちゃんと人として学習しているか振り返ってみましょう。