”いろいろあったおんな”の生活の日記

かなり若く見られる高齢女のジャンルを問わない私見を綴ります

多分日本で一番使いにくいシャワー、それはミラブル

多分日本で一番使いにくいシャワー、それはミラブル

 

 

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買いました・・・

 

多くの皆様と同様に、TVCMの油性マジックが

落とせる場面を見て・・・・

 

ま、正直油性マジックがあんなに簡単に落ちるとは

思ってはいないですが、その点を売りにしていると

いうことは、少なくとも一般的なシャワーよりずっと

汚れ落ちがいいんだろうなぁ、、、と言う認識で・・・

 

で、調べてみたら、

 

たかっ!!!!!!!!!!!

Σ(・ω・ノ)ノ!

 

 

38,000円 + 消費税 = 41,800円 !!!!

 

えっ、単位間違い!?

たかがシャワーヘッドが!?

 

なんだ? 何か動力でもついているのか??

 

と、調べてみたが、いやいや特殊な機能を

持たせてはいるが、モーターなどが付いている

わけではない・・・・

 

では、 その  特殊な機能  がウリなんですね・・・

 

フーーン、空気がいっぱい入った水(お湯)がでるのね

 

だから、節水にもなるし、汚れも落ちるし、、、って・・

肌にもいいし、当然頭皮にもいいし、、、

 

ふーーん、、、30日返金保証付きかぁ、、、、

じゃあサンプルが無いから、一度試してみるか・・・・

 

 

と、購入してみた次第です。

 

さすが、4万円もするシャワーヘッド、かなり

高そーな、しっかりした箱に入って届きます。

 

届いて、セットするのは簡単。。

元のシャワーを外して、これをネジネジと回して付けるだけ。

 

ふーーーん、、、、

 

 

じゃあ、夜お風呂入るのが楽しみだなっ♪

と、ワクワク。

 

 

そして、夜お風呂に入ってみたら・・・・

 

 

な、な、な、なんじゃーこりゃ!!

使いにくっ!!!!

ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!

 

 

 

 

皆さん、シャワーってどうやって使ってます??

座っても、立っても、壁のシャワーは自分の頭より高い位置に

付けてませんか???

 

つまり、シャワーって、下に向かって、

大体、壁に対して45度位の

斜め下の位置にお湯を出すんですよね。

 

それが、ミラブルシャワーってほぼまっすぐ・・・

直立している人の口から水を吹き出すように、

ほぼ真ん前に水がでる形になっているんですよ。

 

まぁ、ごくごくわずかな角度は付いていますが、

ほぼまっすぐという印象になる角度ですね。

 

つまり、シャワーを出すと、お湯は自分の頭を通り越して、

狭い我が家のお風呂で、ドアに向かって勢いよく

お湯が噴き出すというわけです。

 

結局、どうやって使うか、というと、手で常に持って

使うという結果です。

 

両手を使って頭を洗う、、、という事ができません・・・

常に手にシャワーをもってお湯を使う、という感じですね。

 

 

しかも、手元切替スイッチなども、当然ついては

いないので、とっても不便です。

昨日まで使っていたシャワーは

 

手元スイッチの節水タイプ

 

だったので、人間が風呂場で頭や体を洗うことを目的と

して作られたということが良くわかるシャワーだったので、

非常に便利でした。そして、購入価格は3980円でした。。。

 

 

もしかして、ミラブルを使うと、これから

ずーーーーーーっとこういうストレスを毎日かかえて

お風呂にはいるのか!!??

 

いや、無理、ムリ、むり・・・・

だって、お風呂ってそういう場所じゃないじゃん!

と、返品を決意して、プンプンしながら、

お風呂から出てきた私・・・・

 

 

それが、購入した2月のことでした。

 

 

でも、お風呂から出て、

 

「アレ!? あたたかいぞ・・・!」

 

そう、私がミラブルを買ってみよう、と思った

一番の理由は、保温効果、、、だったんだ。

 

忙しい私は、浴槽にのんびりつかる時間があまりなく、

しょっちゅうシャワーだけになっています。

で、冬は寒いんですよ・・・・

 

でも、ミラブル使って体にお湯をかけていたら、

温かい・・・ホントだ・・・・って感じなんです。

 

 

これはかなり迷いましたねぇ。。。

(-"-;) ウーーン

 

 

多分、ミラブルって、水に空気を含ませる、という

機能を売っているんですね。

だから、シャワーとしての完成度は、バカみたいに低い・・・

浴槽用や、キッチン用と次々と出しているのは、

あくまで水に空気を送り込む機能を売り物にしていると

いう事なんですよねぇ。。。

 

 

ってことは、

 

シャワーとしての機能 

 

を、とるか、

 

水に空気をいれる機能

 

をとるか、選択するしかない、、、という状況になって

しまいました。

 

私の頭の中では、

 

なんだよ、ミラブル、シャワーちゃんと作れないなら、

TOTO とか、 Panasonic とかと、共同開発しろよ!

自分とこの機能だけ押し出すような中途半端な

使い難いものをユーザーから高い金とって売ってんじゃ

ねーよ!

 

と、イライラしました (笑)

 

 

で、結論として、

 

グーグル先生に聞いてみたところ、

ミラブルを購入した人は全員と言っても過言では

ないほど、皆さん、この

 

直立まっすぐなミラブル

 

で困っているようで、数多くのブログが

見つかりました。

 

先輩方皆さん、

シャワー用の手元スイッチ、

シャワー用の角度変更アダプター

などを、購入してお使いになっているそうな。。。

 

4万円以上使わせて、さらに経費負担が必要なのね、ミラブル。。。

 

で、私も手元スイッチと、角度変更アダプターを

Amazonで購入して、使っていましたが。。。。

 

 

結論としては、

 

アダプターを使ったところで、

あそこまでまっすぐなシャワーは

非常に使いにくい角度までしか調整できない

 

手元スイッチは非常に簡単に壊れてしまう。。。

毎日使うものですから、もっと丈夫じゃないとね・・・

 

と、言う結果で、毎日お風呂ではストレスマックスに

なっています・・・・

 

腹立つわーーーーー

コロナ禍に生きる高齢者

コロナ!コロナ!コロナ! (第1回)

 

 

なんだろう、、、昨年末に中国武漢で第一号と思われる患者が発生してから、

もう丸7か月経ったというのに、まだ世界全体が右往左往しているんですね。。。

 

 

人類が宇宙へ行くようになり、遠く離れた海外の人とも無料で

顔を見ながら話すことができるようになったこの時代に、

人間そのものの身体の異変に対応できない・・・・

 

このことは、人間-生命の神秘というか、人体というのは、

精密機械などより、ずーーーーーーっと、難しい作りだという事ですね。

 

 

コロナに関しては、意見のある人が多いと思いますが、

私自身の考えをまとめるという意味もあり、書き出してみようと思います。

 

 

 

【政治とコロナ】

 

うーーん、日本に限らず、世界的に、今回のことって、

経済に走りすぎ、ということと、平和ボケしている、、

ってことに尽きる気がするんです・・・

 

実は昨年12月に、TVのニュースで、「中国武漢で、鶏インフルエンザの

ようなものが発生」らしきニュースがすでに報道されていました。

 

ヤバイ!

また、日本の養鶏場で沢山の鶏さんたちが殺処分されるのでは!?

と思い、すぐに調べたところ、どうやらサーズらしいという意見も

あったんですよ。

 

この時点で、すぐに対策を打つべきだと思うんですよね・・・

 

 

そういうわけで、前回世界でサーズやマーズが騒いだときに、幸いにも

日本は水際で食い止められていたのですが、今回も大丈夫とは、

言えないので(私は日本の政治家・官僚を1ミリも信用していません)、

その時点から、自分自身の対策もしながら、

「頼むから、中国からの旅行者の受け入れしないでくれよ・・・」

と日々願っていましたが、そのまま、1月が過ぎていき、

一番懸念していた、 中国の春節  に入ってしまったのです!!

 

日本は観光大国を目指しているから、インバウンド重視、

大金を落としてくれる中国の神様(お客様は神様らしいので)を

玄関払いするなど、発想することもできなかったのでしょうね。

 

おかげで、日本は全国コロナまみれ・・・・

 

 

プリンセスクルーズも寄港しましたが、プリンセスクルーズから

日本にコロナが拡散したわけではないですよね?

お気の毒なプリンセスクルーズの乗客は、あの水に浮かぶ

巨大な箱に閉じ込められてしまったのですから。

 

と、まぁ、ここまでは、日本の迂闊さの暴露なのですが、

 

1.感染対策の日本の専門機関は??

2.日本は予算をどの位、感染対策に計上しているの??

3.感染症を研究している研究者に日本はどれだけの支援をしているの??

 

と、考えると、いやーーー、日本って最低ですねぇ・・・

アメリカ、中国と同様に、日本は、 経済中心 ですよね。

カネ、金、かね、、、

特にトランプ大統領の  金さえあれば人は幸せ  的な、

全ての発言、全ての行動、全ての政策、、、人として最低ですね。

(私はオバマ派なので・・・)

オバマ元大統領が進めていた、国民皆保険制度や、人権に関する制度を

すっぱりと切り捨て、金を儲ける白人がエライ人 という、

小学生でもおバカと分かるような1つの基準を樹立しています。

 

そして、頭の悪さ爆発の 「コロナは怖くない」「コロナは風邪だ」と

いう発言。。。

これが、地球上で最も力を持つ国のトップの発言か・・・と

耳を疑うものでしたね( ̄▽ ̄;)

 

こうやってどんどんアメリカでは、感染者が増えましたねぇ。。。

 

そういえば、マイアミでは、バカみたいにコロナ感染が

広がっているのに、「コロナは怖くない!」と、

コロナの無症状感染者を入れて、ビーチでバカモノ、いや、若者が

パーティをいくつも開催し、実際に感染した若者が、

twitter に「自分は間違っていた。こんなに大変だと知らなかった。コロナを甘く見てはいけない」とつぶやいたそうな・・・これを 自業自得 と言うのでしょうか?

それとも、その時点まで、情報や知識をちゃんと持とうとしない彼をバカと

言えばよいのでしょうか?

 

 

日本は、以前のサーズ騒ぎが無かったので、のほほん、、、として

何も対策がされていませんでしたが、サーズを経験した国はその時に

学んだことを活かして、台湾のようにうまく対策をした国もあります。

 

で、日本はといえば、その時にサーズが来なかったからと、

別に、、、特に何も、、、と昔の沢尻さんのようなポジションを

取り続けていたのですね。

このようなことしかしていない、政治家や官僚に高い給料を税金から

支払う価値はあるんですかね?

 

 

あーなんか、腹が立ってきた。

とりあえず、今日はこの辺で。。。

 

 

 

 

 

珪藻土バスマットのお手入れ☆復活!

昨年購入して良かったもの♪ で、珪藻土バスマットを気に入っていましたが、

 

onnanojinsei.hatenablog.com

 

 

(勿論今も気に入っています(*^-^*))先週、ふと気づくと、

「あれ? なんかイマイチ足の裏がカラッとしないなぁ・・・」

と、思い、

ソッカー、買ってから一度も手入れしてないなぁ、、、

とようやく気付いた次第で・・・f(^^;)

 

以前使っていたマイクロファイバーのバスマットはほぼ毎日洗っていましたが、

珪藻土バスマットに換えてからは、

『使用後立てかけておくだけ』

と、いう簡単な手入れとも言えないような手入れ法だったので、

すっかりバスマットに関してはグータラになっていました( ̄▽ ̄;)

 

そういえば、なんかサンドペーパーでこするとか聞いたなぁ、、、とか

思いつつ、引き出しの中を探してみたら、

あった、あった ♪♪ (^◇^)

以前ハワイのお土産でもらったネイルの手入れ用のサンドペーパー。

幅2センチほどの平らな定規状の形態で、持ちやすく

これは、いいね♪♪

と、シャカシャカこすってみました。

 

おぉ!!!

 

とぉ~~~っても細かな粉が・・・( ̄▽ ̄;)

 

珪藻土バスマットの表面についた皮脂や石鹸カスが削り取られているのだそうで、

なるほど、こいつらがジャマしてたんだなっ! と、敵をやっつけるように

シャカシャカとこすり続けると、みるみる真っ白に復活!!!

見た感じでは、汚れていると思っていませんでしたが、こすってみると、

こすった所は真っ白に(^◇^)

 

一通りシャカシャカすると、

 

おやっ、買った時と同じような感じ♪♪(^◇^)

 

に、なって思わずニンマリ ( ̄ー ̄)ニヤリ

 

勿論お風呂上りに足の裏はサラッ、サラッになりました(^◇^)

 

ただ、思ったより細かぁい粉が結構な量でるので、ベランダなどで

シャカシャカすることをお勧め致しますm(_ _)m

 

やっぱり、買って良かったなぁ (^◇^)

 

と、思った逸品でした~~

 

 

item.rakuten.co.jp

 

 

 

妊婦に席を譲らないのはなぜ?--その2

 

 

このところ、時間に追われる生活をしていて、なかなかブログを覗けなかった私・・・

 

暑くてワンコは日中のお散歩ができないので、久しぶりに日中に自宅にいられます。

 

で、久しぶりにブログを覗いてみて、

 

ん?なんか1つだけアクセスが多い記事がある・・・

 

と、思い探ってみると

『妊婦に席を譲らないのはなぜ?』

 

onnanojinsei.hatenablog.com

 の記事でした。

 

話題になってるの?

そこで、ググってみると、同じような経験をした人や、

同じようなことを話題にしている人がたくさんいたんですねー(^▽^;)

 

その中の1つに、あるサイトの質問に

「なぜ、妊婦に席を譲らなければならないのか?

勝手に妊娠しておいて、立っているのが嫌なら外にでるな」

という主旨のものがありました。

 

そして、回答にもその意見に同意したものもあり、私は自分の目を疑う思いでした

(@ @;)!!!

 

勿論、妊婦を擁護する意見も多数あり、論理的に理由を述べている回答や、

医学的見地から述べている、かなり真っ当な回答も見られました。

 

その中で、私が個人的に秀逸と思った回答は、

 

。。。。。ばかですか?」

 

という回答でした(笑)

 

まさか日本人がこんな感覚をまだ持っているとは・・・

明治?大正?昭和初期?

という感覚ですよね。

 

その昔、日本では、『妊娠は病気ではない』という考え方のもと、

姑にこき使われた嫁の歴史があります。

確かに妊婦に適度な運動は必要ですし、現代人は往々にして運動不足の

環境下にありますから、昔の日本人の運動量を普段の生活で得ることは

なかなか難しくなっているのは事実ではあります。

 

とはいえ、妊娠している状態を『病気ではない=健康体の人と同じ体調』と

みなすことはおかしなことだと分からない人が数多くいるということが、

本当に不思議です。

 

共感力の欠如、想像力の欠如、小学校~中学校レベルでの知識の不足、

これらが複合された結果ではないかと思うのです。

 

例えば海外では・・・

ググっているときに、見つけたアメリカ生活を送る日本人女性の

ブログに

「アメリカ人にマタニティマークを理解してもらうのが難しかった。

アメリカでは見ず知らずの他人でも妊娠している人には優しく接するのが

日常」

という記事がありました。

 

たしかにアメリカ人と日本人では大きく文化は異なるので、一概に並列に並べて比較することはできませんが、日本の「妊婦に優しくない」風土というのは、昔のものだと思っていました。

 

妊婦の身体

男性の場合、女性の身体になってみろと言われても無理なわけですから、あくまで妊婦の身体に起きている状況を想像するしかありませんが、単純に自分のお腹に4キロほどの水と肉の塊をつけ、それが24時間ずっと内蔵や胸から下半身を圧迫し、体内では、日常より多くの老廃物が発生し、ホルモンバランスが大きく変化してしまい、身体全体が大きく形を変えるという状況が短期間に起きる、ということが、普段の自分の健康な状態と全く変わらない体調でいられると思っているのでしょうか??

 

そもそも、「高齢者、病気の人に席を譲る」という言葉の意味が理解できていないように思います。

「高齢者、病気の人に席を譲る」とは、ザックリと言ってしまえば、

 

体力や体の器官が通常ではないことにより、立っていることが辛い方々には、思いやりを持ちましょう

 

という意味ですよね。

ですから、逆に言えば、高齢者でも毎日10キロ走り、筋トレを続けているような方に比べれば、40代で運動不足なサラリーマンの方が体力がないかもしれません。

 

一方、妊婦の方は?

でも、1つだけ、そのサイトの質問へのあまり同意できかねる回答の中に、共感できるものがありました。

 

それは、

席を譲ってもらった妊婦は「私は当然」と思わないでほしい

というものでした。

 

そうなんです。

そこ、ですよね。

 

本来、その(私から言わせればバカな)質問をした人も同じ料金を払って、乗り物に乗っているのですから、何も他の人に席を譲らなければならない義務があるわけではありません。

 

あくまで、「席を譲る」という行為は、相手の思いやりから行われる行為なのですから、席を譲ってもらった妊婦は、感謝の気持ちを持つのが人として当然でしょう。

それを「当たり前」という態度を取られたら、誰でも不愉快に感じるはずです。

 

結局、妊婦に席を譲ることが理解できない人も、席を譲ってもらって当然と思うような妊婦も、いずれも、想像力や共感力に欠ける人なのでしょうね。

簡単に言うとマナーや知性のかけらも感じられない人達という事でしょうか。

こうなると、どっちもどっち、という感じになりますね(^▽^;)

 

席を譲る「どうぞ」と、席を譲ってもらって「ありがとうございます」、これって、ごく普通の言葉ですよね。何が難しいのでしょう???

謎です(´・ω・`;A)

 

 

 

 

 

楽な生き方

 

手先が器用なわりに、いろいろと不器用な私・・・・(- -;)

妙な正義感、妙な自己哲学、妙なこだわり・・・と、他人と共有できないものさしをいくつか持っているせいなんでしょうね・・・なぁんてわかってはいるんですが、なかなか妥協したり、変えることができないもので。。。(ー。ー)フゥ

 

だから、八方美人的な人には、嫌悪とともに羨望の両方の気持ちを抱いてしまいます。

本当はどう思っていても、どのようにふるまえば好感を得られるか、、なんてことは頭では分かっていてもどうしてもそうできない。

自己主張が強いんですかね?

 

20代の頃は、『自分は物事を分かっている。自分が正しいと思うことは世間の常識だ』なぁんて、バカげたことを本当に思っていました。

それがバカげたことだと本当に気付いたのは30代半ばでしょうか・・・・

 

世間の常識なんてものはないんだ・・・ってようやく気付いて、それからちょっと、ほんの少しですが、生きるのが楽になった気がします。

自分では、『当然~』『あたりまえ』と思っていたことが実は、少数派の意見だったり、複数派に属する意見だったとしても、その反対の考え方を『当然』『当たり前』という意見を持つ方々もいると気付いたのです。

何でしょう、、、頭ではそんなことは知っていたけど、実感した、というのが、正しい表現でしょうか。

 

いずれにせよ、どうすれば楽に生きられるか・・・が、最近すこーーーしだけ、本当にわずかですが、見えてきた気がします。

 

1.まず、現実をしっかりと見る。

2.現実を受け入れる。

3.それらを踏まえたうえで、どうふるまうか、覚悟を決める。

 

大きく括るとこの3つでしょうか。

 

◇現実を知る◇

3つの項目の中で、一番簡単そうに思えるのがこの『現実を知る』ではないでしょうか?

そう、「簡単そうに思える」のですが、実はこれが一番厄介なのでは?と思うのです。

と、いうのは、「現実を知ったつもり」になっている人が世の中にはなんと多いのか、、という点ですね。

 

現実って、自分の周りの行動結果だけで見ていませんか?

例えば、家族、会社の同僚、学校の友達、などなど、自分に近い人達が、ある項目について、どう判断し、どう行動するか、、、を『みんな、〇〇だ』と思ってしまっていませんか?

 

これ、私の生徒によく起きる現象で、「〇〇は△△なんですよ」というごく当たり前の話をすると、それを初めて知った生徒(本人は初めて聞いたと思っているが、初めてなわけはない常識的なこと)は、「へー、そうなんですか。初めて聞きました。多分誰も知らないと思います」と平気で言うんですよね。

 

はぁ????

 

「誰も知らない」の「誰も」って、どのレベルを指してるの?って思うんですよね。

大人も良く、「みんなそうだよ」という表現を使いますが、皆って、どのレベルのみんな?って思いませんか?

地域によっては、常識でも、その地域以外では、「ありえない!」っていう事っていろいろありますよね。

 

例えば、TV番組の「ひみつのケンミンショー」でよくその状況がみられますよね(^^;)

と、いうわけで、物事の事実って、1つの事柄に対して非常にたくさんの対応や結果があるので、「現実を知る」ってすごく大変なんですよ。

 

だから、普段から情報をたくさん収集している人はそれだけたくさんの知識や価値観を知っているんですよね。

情報収集の方法は、メディアを利用しても読書をしても得ることができますよね。ただ、偏った方法で収集していると、これもまた偏った情報が集まることになります。

 

1つの事柄について、複数の側面からみることで、いろいろな事実を知ることができます。

自分が当然正しいと思っていることが、それは違う、と思っている人が意外とたくさんいたりするんですよ。

そういう事実をまずきちんと知りましょう。

 

◇現実を受け入れる◇

『現実を知る』ことができたら、素直にそれを受け入れましょう。

自分が思っていたことと違う結果だとしても、現実にそれはあるのですから。

 

とはいえ、言うのは簡単ですが、実際にそれはなかなか難しいことです(- -;)

自分と同じ価値観の結果だった場合、受け入れるのは簡単ですけど、全く違う結果が現実であった場合、受け入れるのは容易ではありませんよね。

 

『私は〇〇が常識だと思ってたけど、△△が常識だと思っている人ってたくさんいるんだー』と、一歩離れたところから冷静に全体像を眺めることが大切ですね。

 

自分自身を自分が肯定することは大切なことですが、それが他人を否定することにつながってしまわないようにすることが大切ですね。

そうしないと、自分の考えを他人に押し付けることになりますから。

例えば、自分がある宗教を信仰しているからと言って、それを他人に押し付けることは他人にとっては迷惑でしかない行為かもしれません。自分が相手の為を思ってしたとしても、相手にとっては、迷惑でしかないことでしたら困ったことになります。

 

基本的には『相手を尊重する』ことが大切ですね。

相手を尊重すれば、相手が嫌がることはしないはずです。本当に相手の事を思ってするのであれば、相手が迷惑と思わないようにふるまう必要がありますよね。

 

まして、自分が予想もしなかった結果が現実だとしたら、受け入れるのは確かにとても難しいことです。

『そんなのおかしい、絶対に間違ってる!』と思う事でも、そう思わない人もいるのが現実なんです。

人の価値観って、先天的にあるものより、後天的に環境で作られるものの方が大きいように思います。

 

例えば、国際結婚の難しさもありますし、同じ日本人同士の結婚でも、離婚率がとても高くなっていますよね。

他人を受け入れるというのは、本当に難しいことなんだと思います。

 

現実を踏まえたうえで、どうふるまうか、覚悟を決める◇

現実を受け入れることができたら、それに対してどうふるまうか、を決めることが大切です。

 

自分はAだと思うけど、Bという人もたくさんいる。でも、自分の意見はAで変わらない。

 

という現実を受け入れたら、その現実に対してどうふるまうか、を決めるのです。

相手を否定せず、相手の意見を尊重しつつも、自分の芯をしっかりと持つ。

自分は自分、相手は相手、と意見に相違があることを認め、その上で人間関係を円滑に運ぶ、というのが大人の対応と言われるものなのでしょうね。

でも、そううまくできるものではないですし、それこそストレスが溜まります。

自分と価値観が異なることで、一緒にいることが難しい人とは一歩距離を置いて付き合うことが良いのかもしれません。

周りの人全員とお友達ごっこをする必要はありませんよね。

知り合いとして、一本線を引いたお付き合いという大人のお付き合いの方法があります。

自分が価値観の異なる相手とどう付き合っていくか、あるいは、付き合いをやめるのか、それによって引き起こされるメリットやデメリットも、場合によっては考慮する必要があるかもしれません。

 

これらが自然に判断できるようになると、少しは楽に生きていけるのかなぁなどと、最近感じています。

勿論、この3つだけで括れるほど、人生の時間は単純なものではありません。

でも、これも1つの考え方だということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妊婦に席を譲らないのはなぜ?

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 ◇社会とつながる◇

 家庭教師はライフワークとして続けていますが(家族に言わせると、ボケ防止になるからいいんじゃない?だそうで・・・)、家庭教師の場合、生徒とマンツーマン授業になり、ご父兄と顔を合わせないことも多々あります。

 

そこで、社会への参加も違う形で行いたいと思い、昨年一念発起して、2月から会社勤めを始めました。

 

とはいえ、さすがに年齢的に正社員で毎日9時~6時は体力的にきつく、週に3~4日程度で、時間も短めで求職活動をしてみたところ、なんとこの年齢でも勤務先が見つかりました。

 

希望職は、デスクワークなので、接客、作業のような業務以外で探しましたが、かなりすんなりと職にありつけてラッキーでした 

(^◇^)ヤッター

 

◇妊婦さんとの会話◇

そして、勤め先では、産休に入る方のお仕事を引き継いだのですが、引継ぎ途中で、一緒にランチをした時の会話です。

 

私:『今何か月なんですか?』

Aさん:『8か月なんですよー』

私:『じゃあ、おなか重くて大変ねー。立ってるのつらいでしょ?』

Aさん:『そうなんですよー。それについ最近までつわりが続いて辛かったわー』

私:『でも、ちゃんとバッグにマタニティマークつけてるから、電車なんか席変わってもらえたりするでしょ?』

Aさん:『ええっ!!?? そんなこと一度もないですよー』

私:『ええっ!!??マジで?』

Aさん:『妊婦に席譲ってくれる人なんかいませんよ』

私:『えっ、私妊婦さんいたら、必ず席譲りますよぉ』

Aさん:『ホントですかー?そんな人みたことないです』

 

正直なところ、たしかに私は自分が座っているときに、マタニティマークを付けている人や、明らかに妊婦さんと分かる人には席を譲っていましたが、言われてみれば、他に譲っている人を見たことがない・・・・(><;)  と、改めて気づきました。

 

なんでかなぁ・・・・・????

 

人が一人の人間をこの世に送り出そうとしているのに、身体に負担がかかってないわけないのになぁ、、、、と思うわけです。

風邪ひいただけでも、身体がしんどいのに、妊娠している=体の中で自分自身の他にもう1つ(あるいは複数)の命を育んでいるというのに、身体が楽なわけない、、、って思いませんか??

 

たしかに妊娠は病気ではないので、保険はききませんが、病気と言う状態ではないにしても、身体は通常時とは異なる状態で決して楽なわけがないんですよね。

 

◇席を譲らない理由は?◇

 そういった目線で、通勤の電車で周りを見ていると、電車通学している小学生、中学生、高校生、20代女性、男性が座り、明らかに高齢者や妊婦さんが立っている状況をよく見かけます。

 

たしかに、小学生、中学生、高校生、20代女性、男性でも体調の悪いときはあるでしょうから、一概には言えないですが、どう見ても体調が悪そうではない人が足を伸ばしたり、広げたり、組んだり、隣の人とやたら中途半端な距離を座席にとって座っていることが多いですね。(中途半端に距離を取って座ることで、2人座れるところを独り占めしているんですよねぇ。。。)

 

そういえば、先週、私が座っていると、目の前に立った女性のバッグにマタニティマークが付いていたので、『どうぞ』と席を譲った際に、相手の女性は、「あ?あぁ」といっただけで、「ありがとう」とか「すみません」という一言はなかったですね・・・

彼女は座ってすぐにスマホを夢中で見ていました・・・

別にお礼を言ってほしいとかいう気持ちではないのですが、人としてその対応はどうなの?とは思いました。

 

こういうことがあるから、席を譲らないのかな?と、一瞬思ったりしました。

いろいろと考えてみたんですけど、妊婦さんって、ほとんどが20代~30代半ばの範囲ですよね。

そうすると、見た感じ、「若い人に席を譲る必要はない」って思ってしまうんでしょうかね?

特に40~50代女性にとっては、20~30代の女性に席を譲る必要は無いという判断になってしまうのかもしれません。

でも、40~50歳代の女性の多くは妊娠経験のある方ではないでしょうか?

妊娠時の体調で、立って電車に乗っていることが楽ではないことは分かっても良いような気がするんですが・・・。

特につわりの時期は見た目は妊娠していることが分かり難く、一番つらい時期かもしれません。

 

マタニティマークで怖い思い!?◇

マタニティマークについて検索していたら、怖い話を目にしました。

マタニティマークをわざとつけていない人もいるということです。

理由は、妊婦だとわかることで、わざとお腹を押されたり、蹴られたりすることがあるという記事でした。

 

人って幸せなときは、物事を穏やかな目線で見ることができますが、本当に不幸なときには、全く無関係の人が幸せそうなだけで憎らしく思ってしまったりします。

思うだけなら仕方ない、、、人としてそういう気持ちになるのは分からなくもない、の範疇ですが、それが行動に出てしまうと怖いですよね。理不尽な事件を起こしかねません。

それは、マタニティマークを付けた女性にとっては、非常に怖いことなんですよね。

大切なともったばかりの命を奪われかねないわけですから。

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もし、このマークを付けた女性が電車で立っていて、あなたが譲れる体調だったら譲ってあげてくださいね。

 

 

 

 

お勉強が苦手な中学生☆勉強と脳と親の役目の関係☆脳科学 2

 

Brain

brain v.2

 

 

 

 前回は親が関わる子供の脳の発達や知力の発達について簡単に触れましたが、今回は脳そのものの仕組みも考慮して、親が子供の脳の発達に関わる点を考えてみたいと思います。

 

 

onnanojinsei.hatenablog.com

 

◇脳について簡単に知ってみよう◇

最近、『脳科学』って言葉をよく耳にしますよね。

脳科学』って、なに?

って、尋ねられたらちゃんと答えられますか?

 

ざっくりというと、『脳について研究する』ことが脳科学と呼ばれています。

(まんま、ですねー ( ̄▽ ̄;) )

 

脳については、他の器官に比べ働きが複雑であることや、解剖が困難なことなどから、なかなか研究が進まなかったのですが、最近は、様々な機器の発達によって、研究が進んできたようです。

 

勉強と脳って密接な関係にありますね。

生まれたばかりの赤ちゃんの時には、大きな違いがあるようには

見えませんが、成長とともに他の人と違いが出てきます。

違いは、さまざまで、動きや言葉、反応など、千差万別ですね。

 

生まれた時から、脳には140億個という数の神経細胞があり、それは、大人になってもほとんど変わることはありません。

ただ、大脳の大きさは少々大きくなります。

細胞の数がほとんど変わらないのに、なぜ大きくなるのか?

そこが一番大切なところですねー。

 

脳の神経細胞ニューロン)は他の神経細胞と複雑に結びついていきます。

この他の神経細胞と結びつく部位とその構造をシナプスと言います。

 

Neuron

Nigel the Neuron

 

この神経細胞が他の細胞と結びついていくことが大切なんです。情報が通る道を作っていく過程になるわけですね。

1つの神経細胞の先には、複数の樹状突起とよばれる触手のような部位があり、それらがそれぞれ他の神経細胞樹状突起と結びつくので、1つの神経細胞は複数の神経細胞と結びつくことになります。

 

たとえば、あなたの右手のひらが1つの神経細胞だとしたら、そこに5本の指がありますよね。その指のうち、親指はAさんの指と、人差し指はBさんの指と、中指はCさんの指と、薬指はDさんの指と、小指はEさんの指とくっつける、、、と想像してみてください。

こんな単純な作りではありませんが、そのように、1つの神経細胞からは複数の樹状突起が出ていて、それぞれが別の神経細胞樹状突起と結びついていきます。

このように神経細胞が結びついて広がっていくために、大脳は少し大きくなるんです。

 

これが脳内での情報伝達のルートになるわけですね。

例えば、糸電話の糸の役目のイメージです。

(あくまでもイメージで、そんな単純なものではありませんが・・・)

 

こうやって、情報伝達のシステムは作られていくわけですが、いつ作られるのでしょう。

脳が刺激を付けたときに、その刺激によってシステムが構築されていくと考えられています。

刺激 - それは、赤ちゃんが何かに触れたときの感覚、音を聞いた時の感覚、光を感じた感覚など、あらゆるものが赤ちゃんにとっては初めてです。すべてが赤ちゃんにとっては学習になるわけですね。

何と言っても、人になって世の中に出てくるのは初めてなのですから。

それらの刺激が脳内のシステムを作り上げていくことにつながります。

 

例えば、赤ちゃんの脳は、届いたばかりのパソコンに例えることができます。

インターネットに必要な機器は全てそろっているけど、ちゃんと配線がつながっていない、という状態ですね。

この配線は、何か刺激があると、つながっていくということです。

そして、複雑な配線をすべて終えると、膨大な情報をもつインターネットを使って、情報を検索したり記憶させたりすることができます。

 

幼稚園で、歌を歌い、おゆうぎをし、複数の子供たちと一緒に何かをする、お友達と喧嘩をして痛い思いをしたり、親から叱られたり、と、全てが子供の脳に刺激を与えていきます。そしてそれにより学びます。それが脳のシステム構築につながっているんですね。

当然、学校で勉強をすることは一生懸命考えることが多く、また新しい知識を与えられるので、非常に良い刺激となり、脳のシステムをどんどん構築していきます。

 

こういったことを、脳の発達というわけですが、では、脳の発達は遺伝により左右されるのでしょうか?

基本的な神経細胞の構造や働き方は遺伝によって左右されるとみられていますが、その神経細胞を十分に生かした活用ができるかどうかは、環境に大きく左右されると考えられています。

一卵性双生児においては、同じ遺伝子をもった子供が異なる環境で育つことにより知能に違いがみられるということからも、後天的なものが大きいようですね。

 

と、なると、やはり親としては我が子を「頭の良い子」に育てたい、と思うわけですが、では、まず、「頭の良い子」とはどんな子をさすのでしょう?

 

学校のお勉強ができる子

 

っていうイメージが強くないですか?

他には、

 

IQ(知能指数)の高い子

 

ってイメージですかね?

 

一般に、IQの高い人は、学歴が高いという相関関係はあるようですね。

このIQの数値はテストで計ることができます。

テストと言っても、学校のお勉強のようなテストではなく、

皆さんも一度は受けたことがあるのではないでしょうか?

 

IQテストには2種類があります。

 

1.生活年齢と精神年齢の比を比較した数値を基準とするもの

2.同年齢の集団の中での位置を基準としたもの(偏差知能指数

 

1.の方法が一般にIQテストと言われることが多いようです。

 

IQは、標準値が100であり、85~115の間に68%の人がおさまり、

75~130の間に約95%の人がおさまると言われています。

 

ちなみに、ギネスブックで認定されている世界で最も高いIQの

持ち主は、アメリカ人女性で、そのIQは228と記録されています。

 

ただ、IQと知能は本来別のもの、と言われています。

IQテストは、ざっくりと分けると言語テストと運動機能のテストの2つになります。でも、人の能力って、この2つだけにカテゴライズできないですよね。

向上心や、積極性、人を思いやる気持ち、注意力など、様々な要素があります。

全てのバランスがちゃんととれていること、それが知能が高いと言えるのではないでしょうか?

そして、これらの機能をつかさどるのが大脳の前頭連合野なんですね。

つまり、人が他の動物と大きく違う点をつかさどるこの部分が如何にうまく機能しているか、が大切なわけです。

 

この機能を作り上げているのが、上記で述べたニューロンの作り出す情報伝達システムであり、うまく機能しているかどうかが大きなポイントとなるわけです。

 

そういえば、昔よく、

「脳は1割しか使われていない。あとの9割は使わずに終わる」

っていうような言葉を聞いたことないですか??

 

それは、今では大きな間違いだとわかっています。

最初に脳には140億個の神経細胞があるとお話ししましたが、これは脳全体の細胞の約1割にしか過ぎないことがわかっています。残りの9割はグリア細胞と呼ばれる、神経細胞に栄養を送る役割を担っています。

しかし、近年、このグリア細胞にも神経細胞へ情報を伝達する役割があることがわかってきました。

 

 

◇大脳◇

Brain Model

Cerebrum Anatomy Unlabeled


 

 

 大脳は、

前頭葉(上の図の赤い部分)

頭頂葉(上の図の青い部分)

後頭葉(上の図の青のとなりの茶色い部分)

側頭葉(上の図には載っていませんが、前頭葉頭頂葉の下側に位置します)

と、4つに分けることができます。

 

大脳の表面はしわしわになっていて、大脳皮質と呼ばれます。

脳のしわが多いと頭が良い

なぁーんて言葉、聞いたことありませんか?

それ、関係ないですからねー

いまどき、それ言う人、かなり高齢ですな

(って、私の年代かっ!!( ̄▽ ̄;) )

 

このしわは、深さとか曲がり具合については、多少の差はあるものの、

位置は決まっていて、それによって、上記の4つに分かれるんですねー。

 

ただ、この4つの部位は、大脳の表面(大脳皮質)を区分けしたもので、

内側は大脳辺縁系と呼ばれる部位になります。

(表面部分も含めて大脳辺縁系と呼ぶ場合もあるようですが・・・)

 

ざっくりというと、外側の表面では、思考や理性をつかさどり、

内側では、本能をつかさどる、、という役割分担になっています。

 

前述しているように、脳の神経細胞ニューロン)が複雑に結びついて発達していくことで、知識を蓄えたり、考えたりすることができるようになっていきますが、まだ、この部分が未発達な時期には本能が理性より勝ることになります。

 

小さな子供は、『アレ、買ってーー』と、駄々をこねて公道や店内で泣きわめくことがありますが、大人がそういう行動をとることはありませんよね?

それは、思考が発達して、本能のままの行動をとれないと判断し、理性で本能を抑えるからですね。

 

前頭葉

大脳の前の部分に位置しています。

脳はどの部位も大切ですが、ここは人が人である為に一番重要と思われるところです。

なぜなら、ここでは、人の思考や理性を制御しているからです。他の動物と一番大きな違いをここで作り出していると考えられています。

思考や理性の制御ということは、計画性や社会性、学習などにかかわるということですね。

(といっても、脳は複雑に作られていて、まだまだ全容が解明されていないので、他の部分が大きく影響している可能性も否めませんが)

ちなみに言葉を話す機能や、身体を動かしたりする機能もここが制御していると言われています。

 そういえば、

 

ロボトミー

 

っていう言葉を聞いたことないですか?

内容を知らない人でも、この言葉はなぜか知っている人が多いですね。

 

これは、チンパンジーの前頭葉を切断したところ、性格が穏やかになったことから、人の前頭葉を他の脳の部分と切り離すという手術がおこなわれたものです。

怖いですねー( ̄▽ ̄;)

前頭葉を他の脳と切り離す・・・・想像しただけで、ゾッとします・・・・

でも、脳についての研究が進んでいなかった時代、また、精神病の薬もなかったことから、世界各国で行われたようです。

また、1949年には、このロボトミー手術の術式であるモニス術式の考案者であるモニスに、なんとノーベル生理学・医学賞が授けられています。

 

とはいえ、副作用も多く、手術から生還できないことも多かった上に、脳の研究が進んでいない中での手術は人体実験に近い要素もあり、また、抗精神病薬の飛躍的な発展によってロボトミー手術は廃れていきました。

ちなみに、このロボトミーのロボは脳を切り取りロボットのようにする、、というイメージで、「ロボット」を意味していると思っている人が多いようですが、脳や肺などの臓器の構成単位の『葉』(lobe)を表しています。

 

前頭葉が損傷することにより、機能しなくなると、

 1・人間らしい思考ができなくなる→考えることができない

 2・理性が働かず本能のままに行動してしまう→我慢ができない

 3・言語機能に障害が起きる→意思の疎通が難しくなる

 4・運動機能に障害が生じる→思うとおりに手足を動かすことができなくなる

などの問題が起きてきます。

 

ここで、私は思うのですが、上記の全てに当てはまるお子さんが多いのです(- -;)

勿論、脳に障害を持っているようなレベルではないのですが、まず、1の問題については、論理的に思考することができないお子さんが非常に多いのです。

先に述べたように、例えば数学の、「時間・距離・速さ」などの単元などにおいて、

『速さは単位当たりの時間に進む距離を表すから、時速2キロだと、1時間に2キロ進むことを表すから、3時間進むと、2 x 3 =6 で、6キロ進むことになる』

と、いうように、論理的に考えることができません。

この基本が理解できていない為、まず数字が文字になり、

1時間にAキロ進む車がB時間走ると進む距離をAとBを用いて表せ 

と、言われると、もう答えを出すことができなくなってしまうのです。

 

以前の記事 ↓ をご参考まで。。。

onnanojinsei.hatenablog.com

 

当然、証明問題なんてできるわけがありません。

こうやって中学で使う数学の基本となる考えは、小学校の算数で作られるのですが、小学校の頃には、「小学生のような小さな子供は論理的に考えられなくて当たり前」とか、「うちの子は早生まれだから、理解力が少し遅いだけ」とか、「通信簿で悪く書かれていないから大丈夫」とか、意味不明のこじつけで、自分の子供が物事を考えようとしないことを正当化する、あるいは、気付かないで過ごしてしまい、中学では結局その延長線上に子供がいることになってしまっている気がします。

 

私に家庭教師を申し込んでこられるご父兄の半数以上が、上記のようなご父兄でした。中2の終わりや中3の初めに高校受験の為に家庭教師を申し込んでこられるのですが、正直手遅れ感を否めないお子さんがほとんどです。

ごくまれに、小学校のうちにちゃんと考えることを教えたいので、学校の授業より遅れても良いので、1つ1つ丁寧に考え方から教えて下さい、という、非常に優れたご父兄に巡り合うことがあります。と、いうよりこの数十年の間にお一人だけそういうお母様がいらっしゃいました。

母子家庭なので、自分が子供の勉強を見てやれないし、自分は学が無いので子供に正しく教える自信がない、だけど、一生懸命働いて、子供に教育という財産を残してやりたいという考え方でした。

私はそのお母様の思いにお応えしたいと思い、一生懸命「自分の頭で考える」という授業を中心に行いました。

小学校3年生から教え始め、高校3年生までずっと教えましたが、最終的にそのお子さんは現役で、東大に合格されました。

正直なところ、ご家庭の状況から授業料は他のご家庭の半分ほどしか頂きませんでしたが、教えていて楽しかったのは事実です。

自分の頭で考えることが分かっているお子さんは、ちゃんと的を射た質問をしてきますし、こちらがした質問に考えて答えてくれます。

他の頭を使わないお子さん達と違い、根拠なく思いついた言葉や数字をすぐに口にするような行動はありません。

多くの子供たちを個人対個人レベルで見てくると、かなり大きな差があることが分かりますし、そのお子さんがどのようにしつけられてきたか、またどのような会話を親子でしているか見当がつくものです。

 

次に、2・理性が働かず本能のままに行動してしまう→我慢ができない については、

勉強が嫌いだからしない 

で、終わってしまうお子さんが大多数であることです。

子供たちは勉強はしなければならないもの、です。

ごく一握りの特殊な人々を除いて、一般的に大人は働くことで、生活を支えています。

日本においては、ありがたいことに、子供達は勉強することが権利であり、義務なのです。

何より、脳について述べてきましたが、勉強は脳にとって非常に大切な刺激となります。ここで勘違いしないでほしいのですが、勉強することだけが脳にとって大切な刺激というわけではありません。しかし、多くの場合、例えば、小学校、中学校の合計9年間、学校の勉強にまっすぐに取り組む子供と、ゲームやアニメだけに時間を費やする子供に脳の発達の違いがみられるのは仕方がないと思いませんか?

まぁ、そんな臨床データはないので、数値で表すことはできませんが、少なくとも私の知っている範囲では、高1の段階で、前者と後者では、顕著に思考や知識に関する違いを見ることができました。

 

また、中3から教え始めた子供の一例ですが、小学校のときに私立受験をし、中学から私立に入学していました。その私立校は大学まであるので、その子は、いったんその中学に入学したら、あとは遊んでいても大学まで行けると思っていました。

しかし、世の中そんな甘いものではありません。たかが、偏差値40あるかないかの私立中学ですが、中学から高校へ内部進学するには、中1から中3までの全定期テストの平均値がある一定以上(と、いってもかなり低いレベルですが・・・)必要でしたが、それに満たない生徒は内部進学ができない規定だったので、その子は、中3の夏休み前に担任から内部進学は出来ないから、受験準備をしなさいと言われたのでした。

中3の夏休み前に、お母様から家庭教師のお申込みがありました。

教え始めたときに、「あれ?この子は頭はいいんだな」と感じました。そうなんです、その子は決して頭が悪いわけではなく、ただ勉強しないだけの子だったのです。

例えるなら、本や映画でヒットした、「ビリギャル」の男の子バージョンだったのですね。ただ、問題はその子はビリギャルの主人公と異なり、努力をしない子でした。

どんなに言っても、宿題はしない、復習はしない、というわけで、週に2回の授業は、毎回同じ事を教え直ししなければなりませんでした。

脳の忘却曲線を絵に描いたような感じで、教えても復習も宿題もしないので、教えたときは理解するのですが、すぐに忘れてしまうんですねー。

また、中学入学後、一切頭を使ったことが無かったようで、中1の最初に習うことからすべて理解していませんでした。

ご父兄の要望としては、なんとか夏休み後の試験からかなり高得点を定期テストでとって、最終的に平均点が内部進学の合格ラインに届くようにしたい、という事でしたが、

何と言っても本人がやるべきことをやらないので、どうしようもありませんでした。

話をすると、「やらなければならないことは分かっている。でも、なんかさぼっちゃうんですよねー」ということで、まぁ、一言で言えば甘いんですよね。何とかなると思っているんでしょうね。やらなければならないけど、やりたくないからやらない。だって、勉強嫌いだもん。というのが本音です。

と、いうようにやりたくない事でも我慢して頑張る、ということができない、つまり脳の機能が壊れているような感じですね。

 

3・言語機能に障害が起きる→意思の疎通が難しくなる という点についてですが、これは、本来の脳の機能の障害というレベルではないのですが、日本語があやしいお子さんがたくさんいるのです。

簡単なことを説明することができない。

たとえば、自宅から学校までの道筋を説明してみて、というと、

『えっと、家を出て道をまっすぐ行って、なんか、途中で右にまがって~』というような意味不明の説明?をします(説明になっていない!)。

家を出て道をどちらへまっすぐ?なんか途中で、ってどこ?

そして、中学生レベル、高校生レベルでは当然知っているはずの言葉を知らない、、、。

そして、明らかに文法的におかしな表現をする。

英語の授業などで、受動態の授業をしていると、「~される」という表現ができない。例えば、

This picture was painted by Picasso.

この絵はピカソによって描かれた

と、いうところですが、この絵はピカソが描いた という訳しかできず、

受動態を何度も説明して、どう教えても、どうしても「~された」と

いう表現に変換できない子が多いんですね。

勿論内容的には「ピカソが描いた」には違いないのですが、受動態の授業においてそれでは、話になりません。

Picasso painted this picuture. と区別がつかなくなります。

 

以前、『最近何を食べてもおいしくて。天高く馬肥ゆる秋、でもないのにねぇ』と中3の生徒に言ったところ、『先生、馬がどうしたんですか?』と尋ねられました。

その生徒曰く『そんな言葉、人生で聴いたことがないし、絶対、学校の誰も知らない』とのこと。

疑問その1、なぜ、中3でこのことわざを人生で聴いたことがないというのかな?

(聞いたことがあるかもしれないけど、覚えてないだけかもと考えないのか?)

疑問その2、なぜ学校の誰も絶対に知らない、と言い切れるの?

と、素朴な疑問が頭をよぎったのですが、とりあえず

「じゃあ、自分でこのことわざを調べてみましょう。ご家族に尋ねても良いですよ」と

宿題にしたところ、翌週の答えは、「先生、やっぱりお母さんも知らなかったよ。おばあちゃんは知ってたけど。普通は知らないよ」と言われてしまい、唖然としたことがありました。

やっぱり、子供の知性は親が作るんだなぁとつくづく感じた出来事の1つでした。

 

4・運動機能に障害が生じる→思うとおりに手足を動かすことができなくなる

これについても、脳に障害があるレベルの話ではないのですが、非常に不器用な子供が多いですね。(ちょっと話が違いますが、そもそも字の汚い子供が多すぎる気がします。)

中学生に合同や相似の説明をする際、かなり成績レベルの低いお子さんには、紙を切って説明することがあるんですが、紙を折ったり切ったりするときに、ものすごく雑な切方や折り方しかできないんですね。

〇〇君、どうして、点線で折ってって言ったのに、こんなにずれてるの?

と、尋ねると、

ちゃんと折ったつもりなんですけど、、、、

という答えが返ってきます。

一事が万事この調子で、かなり不器用なんだなぁと感じることが多々あります。

 

と、いうように、人間の思考や理解、記憶、など、人間として最も大切と言われる機能をつかさどる前頭葉ですが、物理的に脳に障害がない状態でも、発達において問題があるのではないか・・・・と感じることが多々あります。

 

脳は約140億個の神経細胞を持っているとお話ししましたが、初期の胎児には1000億個のニューロンを作り出します。そして2~3歳の頃は、約1000兆のシナプスを持つようになります。

これは、必要な量よりはるかに多い数のシナプスと言われています。

やがて、脳に与えられた刺激によって作られた1000兆個のシナプスのうち、刺激が続くものは、残り強化され、刺激がなくなったシナプスは退化していきます。

こうやって、必要な脳の配線が残っていき、残った配線が強化され、また情報伝達が早くなるような仕組みが作り上げられていきます。

脳の配線が強化され、生き残るのは、刺激が続いたシナプスだけになります。したがって、何度も同じ本を読むと覚えてしまうように、刺激が繰り返されるシナプスはしっかかりと強固なものとなり、さらに情報伝達が早くなるように作られていきます。

この配線がされる時期にいかに脳に多種多様な刺激を与え、シナプスの結びつきを強化するか、が脳の発達において大切なことになりますが、それは、いつなのでしょうか?

 

科学的に脳の発達は3歳までに約80%、6歳までに90%、12歳までに100%完成すると言われています。先ほど触れたように、2~3歳の脳のシナプスは爆発的に多い数で、その後、使われることがないシナプスが退化していくとお話し致しましたね。

0歳から12歳というと、乳児、幼児、小学生の時期です。

特に3歳までの時期に赤ちゃんが母親と過ごすことがとても大切だと再認識されてきており、この時期に人格の基本部分が完成すると言われ、「心の器」が育つ最重要時期だという脳科学者もいます。

 

こういう情報について考えるたびに、自分が教えて来た、そして教えている生徒の事を考えてしまいます。

勿論、自分の子供について真っ先に考えます。

いまでこそ、脳科学という分野が急速に進歩し、まだまだ分からないことの方が多いとはいえ、かなり様々なことが分かってきました。

こういう知識をできるだけ多くの方が持ち、それを少しでも子育てや教育に生かせればいいのに、、、と心から思う次第です。

 

 

頭頂葉

名称の通り、頭のてっぺんのやや後ろよりにあります。

この部分は、感覚の情報をまとめて認識する役割を担っています。また、空間感覚とその認識を行っているので、目から入った情報を自分の体感に置き換える役割もしているとされています。

 しかし、大脳の他の部位に比べてあまり解明が進んでいない部分でもあります。

 

 

★側頭葉★

こちらも名称の通り、脳の側部にあります。こめかみのあたりですね。

ここで、一番重要な機能は『記憶』でしょう。また、聴覚と嗅覚の判別も行っています。

耳から音は聞こえているけど、それがどういう内容なのかを判断するんですね。

側頭葉にトラブルが起きると、

耳の機能には問題が無く、音は脳に届いているのに、それが何を意味するのか判断できない。

嗅覚についても同様で、においは感じるけど、何のにおいか判別できないという現象が起きてしまいます。

また、昔のことが思い出せず、新しい事も覚えられないという現象が起きます。

 

後頭葉

大脳の後ろの法にある部分です。

ここは主に視覚を認識する部位になります。

ですから、この部分に問題が起きると、

・目は情報をとらえているのに、脳がそれは何かを識別できない、

・目には異常がなくても正しく見えない(判断できない)

などのトラブルが起こります。

 

 

このように、脳はいくつかの部位に分かれ、それぞれがいろいろな働きを担っていますが、うまく情報がつながらないと単純な行為もできなくなります。

 

例えば、あなたが街を歩いているときに、友人を見かけて声を掛けるとします。

このときに、まず、あなたの目が周りの景色をとらえます。その景色を後頭葉が認識し、側頭葉があなたの友人の記憶を引っ張り出して、前頭葉に送ります。前頭葉で、「あ、この人は友人のAさんだから声を掛けよう」と判断します。

 

と、いうように、脳は全体でバランスよく働くことで人としての機能が成り立つわけですね。

 

非常にザックリとですが、大脳の働きはお分かりいただけたかと思います。

 

★勉強と脳★

 

脳はいろいろな刺激により、働くようになっています。

最初に述べたように、脳の神経細胞同士が刺激によりつながり、配線が出来上がっていくんですね。

この複雑な配線を作る時期がちょうど子供が乳児~中学生頃までの間が一番活発だと言われています。

日本の義務教育は的を射た時期なんですねー。

この時期に、

・勉強が嫌いだからやらない

・関数なんか知らなくたって大人になって困らない

などと、バカなことを言っていると、脳の配線がしっかりと作られないんですね。

(のちに述べますが、作られた脳の配線を強化する働きも、脳への刺激によって行われます)

 

日本史を学ぶのは、日本の歴史の知識を得る為だけではなく、

植物の作りを学ぶのは、植物の部位の名前を覚えるためだけではなく、

一次関数を学ぶのは、一次関数の問題を解く為だけではなく、

英単語を覚えるのは、英語を話せるように成る為だけではないのです。

 

ですから、今までに何度も申し上げていますが、思考する、ということをしないで、ただ丸暗記しただけの知識はすぐに失われてしまいます。

 

まれに、親が子供に、

『関数?そんなのわからなくても、生きていけるよ』

などと言う人がいるようですが(私には驚きですが。。。)、

それは、親が子供に

『やらなければいけない事でも、やりたくなければやらなくていいんだよ。それでも人間は生きていけるから。頭が悪くても生きていけるから別にいいんだよ』

と、言っているのと同じだと私は思います。

確かに 生きていく→命をつなぐだけ なら、可能でしょうね。

ホームレスの方々だって、生きて行けますから。

 

人に生まれて、人だからこそ持っている脳の働きを生かさずに、野良犬(最近見ることは稀ですが)や、野良猫と同じように生きていくだけで良いのならそれでいいのかもしれないですが・・・。

 

だから、勉強するということと、脳の発達はかなり密接な関係にあると言えるでしょう。といって、0~3歳の爆発的な神経細胞の増加時に『勉強』だけに結びつく刺激だけを与えることが良いというわけではありません。

 

脳は先ほどもお話ししましたように、各部位が密接な関係をもって働いています。偏った脳の発達を促すような行為は、決して良いとは言えません。

人としてのバランスがとれるように、偏ったものではなく、その子の人格の基本を決めることにも関わるのですから、いろいろな刺激を与えてあげましょう。

裸足で砂を歩くことや、雪を直接手で触ってみたり、緑があふれる森林に身を置いてあげるとか、一般的に情操教育と言われることも非常に大切です。

動物や高齢者と触れ合うこともとても良い事ですね。

 

最近は、経済格差が教育格差につながるということが言われていますが、たしかにそれも一理あります。

 

以前私が教えていた生徒に、私立中学受験をし、合格したら、あとは一切勉強しなくても大学を卒業できると思っていた生徒がいましたが、その子は中3のときに、担任から、『内部進学はできないから、高校受験の準備をした方がいいですよ』と言われ、ご父兄が『何とかしてほしい』と泣きついてこられました。その時点から私が教え始めたのですが、中3の2学期から教え始め、かなり成績を上げましたが、中1から中3までの定期考査の平均点数が0.1点足りず、内部進学ができませんでした。

たかが、0.1点の平均点など、「平常点にゲタをはかせればどうにでもなる」点なのですが、その子は怠け者で考え方が甘いことが担任に嫌われたのでしょうね。

結局、偏差値40もない中学で内部進学できない子が、他の高校を急に受験したからと言って、受かるようなところは限られています。

ところが、お母様のお母様(生徒の祖母ですね)が、教育関係に縁を多くもっていらっしゃったようで、偏差値50(特進クラスは偏差値55~57位)の私立高校に入学できました。

当然、授業についていけるわけがありません。ご父兄は、肩書にこだわる方だったので、その子の実力でも入れるようなレベルの高校へ行かせるのは嫌だったのでしょう。

それなりのお金を使って、入学できたようです。

と、言うことは、その私立高校は大学付属なので、また高3のときに同じことを繰り返し、その大学へ内部進学するのでしょうか?

そのようにしてようやく高校生になったのですから、少しはちゃんと勉強してくれるかと思いきや、宿題はやらない、暇があれば、スマホばかりいじっている、、、という状態で、やる気がまったく見られないので、もう教えないことにしました。辞めさせていただきました。

 

この子はこのまま変わらなければ、おそらくろくな大人にならないだろうなーとしか思えないのですが、自分の子供ではありませんし、ご父兄にも本人にも散々お話をしてきた結果なので、もうどうなろうと私の知ったこっちゃありません(笑)

 

不思議なのが、この子達(なぜ、『達』かと言うと、実は兄妹を教えていました。)、一見真逆のタイプに見えるのですが、教えていると、兄も妹も非常に性格や価値観が似ていることが分かりました。

やっぱり子供を作り上げるのは親なんだなぁ、、、と心から思いました。

しかし、ご父兄は、子供たちが実は似ていることに全く気付いておられず、

『同じ親、同じ環境なので、どうしてこうも兄と妹は違うのか。。。』

と、しょっちゅう私にこぼしておられました。

 

もし、あなたが子供に不満を感じたり、理解できないと思うのであれば、第三者の目で見てもらうと良いかもしれませんよ。

きっとあなたが気づいていないだけで、子供というのは、親のしていることや話す内容を観たり、聞いたりして自分を作り上げていっているからです。

 

あなたは、ちゃんと子供に必要なことは教え、しつけもしている、、、つもりかもしれませんが、もしかして、子供が聞こえるところで、うっかり他人の噂話や陰口を言っていませんか?

ものの価値をお金だけではかるような発言をしてしまっていませんか?

子供にはしてはいけない、、、と普段言っていることを、自分がやってしまっていませんか?「自分は~~という理由があるからいいんだ、、」と自分に言い訳をしながら。

 

子供の脳はそれらを見て、聞いて、脳の情報システムを作り上げていきます。子供からみたら親は自分のお手本なのですから、あなたの足跡の上を子供は歩いていきますよ。

 

数多の子供たちを教えてきましたが、家庭教師という立場に立つと、生徒を通してご父兄の姿がとてもよく見えます。

普段この親子はどういう会話をしているのか、どういう食事をしているのか、ご父兄の価値観はどういうものか、などなど、素通しのガラスを覗くように見えてしまいます。

 

そういったことを通して、以前(と言ってもずいぶん昔で、私が若いころの話ですが)、ある時、ふと気づきました。

生徒とご父兄はほぼ同じ価値観や知識の蓄え方をしていると。

勿論子供と大人では持っている知識量は全く異なります。

しかし、年齢に対して持っている知識の量を考えると、それらは比例しているようでした。

つまり、非常に常識があり、知識も豊富なご父兄の子供は、学齢に比べ、非常に豊富な知識や倫理観を持っており、逆に、非常識としか思えない発言をし、世間一般の知識も少ないと思われるご父兄のお子さんは、同じ学齢の子供に比べ幼稚で、知識も少ないのです。

 

100%その通りだとは申し上げられませんが、ほぼその通り、、、と言っても過言ではないと思います。

 

家庭教師をしていて、英語や数学など勉強を教えるのが仕事ですが、しかし、現実には英語や数学を教えながら、常識や物の見方、考え方、を親と子供に教えているような感じでした。

なぜなら、何度も言っているように、「本人にやる気がない場合は、どんなに教えても無駄」だからです。

学ぶことがどうして大切なのか、逆に学ばないとどういう未来が待っているのかを教えて、本人にやる気になってもらわないと、何を教えても本当に時間の無駄になるだけなんです。

 

それを説明するには、

エビングハウス忘却曲線

を考えて頂くとわかりやすいかと思います。

 

エビングハウス忘却曲線とは*

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが記憶に関してデータをとったものです。無意味な文字の羅列(音節)を覚えて、その覚えた文字の羅列を再度覚える為に要する時間を計算式で表しました。

一般的に記憶したことは、

 

20分後には42%忘れる

1時間後には56%忘れる

9時間後には64%忘れる

1日後には67%忘れる

2日後には72%忘れる

6日後には75%忘れる

31日後には79%忘れる

 

と、いう結果になっていますが、これは、最初に述べたように

意味を持たない文字の羅列 なので、意味をもったものであれば、

上の結果には直接結び付かないと言われています。

例えば、8桁の数字の羅列 例:58137462 は覚えるには時間がかかり、覚えていられる時間も短いと思いますが、それがもし、あなたの大切な人の生年月日、1995年11月30日のような物でしたら、覚えていられると思いませんか?

 

つまり、勉強でそれが起きるわけです。

 

「なぜそうなるのか」を理解すれば、覚えやすいですが、

全く意味が分からずただ丸暗記しようとすれば、なかなか覚えられず、折角覚えてもすぐに忘れてしまいます。

 

ですから、やる気のある生徒は、なぜそうなるかを知ろうとします。

しかし、そうではない生徒は、なぜそうなるか、を考えようともせず、教えても知ろうとせずに、ただ、結果だけを丸暗記しようとします。

 

これは、言い換えると、前者は、

「知識を得ようとする」

と言えますが、後者は、

「次のテストで点を取れればいい」

というように、学ぶことの目的が異なっているのです。

 

ですから、前者はテストに出るか出ないかで学ぶ内容を判断しませんが、後者はテストに出るか出ないかで、学ぶ範囲を決めようとします。

 

そして、この価値観の違いは、普段の生活の中で生まれると私は感じました。

物事の表面を繕うことを第一に考える大人の元では、子供も同じ価値観で育ちます。

しかし、物事の根本を考える大人の元で育った子供は、同じように考えることをします。

 

例えば、小学校低学年の子供を連れた母親がスーパーマーケットで、買い物をしているところをイメージしてください。

子供が青果売り場で売っている、「桃」に興味を持ち、指で押してみたと思って下さい。

Aの母親は、「ダメよ。何やってんの。お店の人に叱られるでしょ。買わなきゃいけなくなるじゃない。高いのに」と、言い、

Bの母親は、「やめなさい。桃はとっても柔らかくて触るとそこから痛んでしまうの。だから、あなたが買うのならいいけど、買わないのなら、売っているものに傷をつけることになるんですよ。他の人が気が付かないで、あなたが痛めたものを買ったら申し訳ないでしょ?他人に迷惑をかけちゃいけませんよ。だから、今日はあなたが触ってしまったからこれは、ちゃんと責任をもって買いましょうね。だけど、この桃を買うから、今週のあなたのおやつを買うお金が無くなってしまったから、今週はおやつは無くなっちゃうのよ。でも、興味があったから桃を触ってみたかったんでしょ?今日のおやつに桃を食べようね。」

と、子供に話したとしましょう。

文字にするとずいぶん長いセリフですが、実際に話すと大した時間はかかりませんよね。

普段の何気ない会話や行動でこれだけの違いが毎回毎回生じていれば、育つ子供の質が変わるのは当然ではないでしょうか?

 

こうやって育ったそれぞれの子供たちが、勉強に対して見せる姿勢が異なるのは当然のことで、世の中、「一事が万事」という言葉通りです。

 

そこで、遅まきながら、私が家庭教師として教える生徒には、Bの母親の役目のしながら勉強を教えていくのですが、残念ながら、それが理解できないご父兄も大勢いらっしゃいます。

つまり、「もっと公式を覚えさせてください」「もっと宿題を出してください。そうしないと勉強しないから」というご意見が出てくるんですね。

だから、それができないから、こうやってるんです、、、と言う説明をしたところで、すでに大人であるご父兄は、「自分はちゃんとした大人だ」と思っているので、私の話を聞く耳を持ちません。

ですから、私は『申し訳ございませんが、お宅のお子さんは私では力不足で教えることは出来ないようです』と、辞めさせていただきます。

きっと次には、ただ公式を覚えさせ、英文を暗記させるだけの家庭教師を迎えて、その子は将来受験に失敗するのでしょう。

なぜなら、短期の記憶だけでは、受験は乗り切れないからです。

 

私の授業では、『復習』に重点を置いています。

新しい単元は、その単元ではどういう事を学ぶのかをまず教え(その単元を俯瞰で見た話をします)、次に具体的に丁寧に1つずつ考え方を説明していきます。

これらの基本を十分理解することが一番重要です。

そして、この理解した内容を、当日の夜、翌日、2日後、と必ず復習してもらいます。

復習は自分が教わった内容を、誰かに説明することにより行ってもらいます。

例えば、ご父兄や兄や姉など。そして、次の授業の際に、生徒が私に説明をします。そのときに、間違っている箇所や、理解が浅いと思われる個所について質問をして考えてもらいます。それらが終わったら、次には、その説明をしてもらった単元の問題を自分で3つ作ることを、次回までの宿題にします。

 

これらの過程で、1つ非常によく起きる問題があります。

それは、

『わかってるんだけど、どう説明していいかわからない』

と、多くの生徒が言うことです。

実は、これは、『わかってるんだけど、どう説明していいかわからない』のではなく、

わかったつもりになっているけど、実はわかっていない、ということを自分で気付いていない

と、言う現象なんですね。

確かに、日本語が不自由な子供が多いのは事実ですが、彼らは自分がよくわかっていることは、多少表現に問題があってもそれなりに説明できるんです。

ところが、わかっているつもりになっているだけで、実はきちんと理解できていないことは、言葉で説明することができないんですね。

 

大人でもこの現象はよくありますよね。

例えば、「スピンオフ」という言葉がありますが、

「あの映画のスピンオフで〇〇が主役の映画、やるらしいよ」と

言う使い方をみんなするので、使っている人はスピンオフの意味を

理解しているつもりですよね。

でも、スピンオフを知らない人が、「スピンオフって何?」と尋ねたら、

あなたは、ちゃんと説明できますか?

 

☆スピンオフはちゃんとした英語で、spin-off として表現されます。

名詞の場合は複数形(spin-offs)もあり、形容詞としても使われます。

spin(スピン)といえば、車のスピンやフィギュアスケートのスピンを連想しませんか?

そうです、spinには、回す、回転させる、という意味があります。(ちなみに、(糸や綿を)紡ぐという意味もあります)

off (オフ)には、~からそれて、~から離れて という意味があります。

ですから、spin-off (スピンオフ)という言葉は、基本的には、回転してそれる という意味なんですね。それが語源になり、回転することにより、そこから飛び出したものという意味で、『派生したもの、副産物』、というような意味を持つんです。

ですから、映画やTVドラマだけに使われるわけではなく、ビジネスにおいては、本社から独立した子会社を作る、という意味でも使われます。

 

きちんと正しく理解していれば、説明ができますが、知っているつもりだけで、実は正しく知らないと、おそらく、「なんか、映画とかで脇役が主人公になって別にできるシリーズみたいなやつ」位の説明しかできないのではないでしょうか?

これは、まだ具体例を知っているのでこの程度の説明ができますが、生徒の場合、新しい単元を「分かっているけど言葉で説明できない」という場合は、通常それは、「本当は理解していない」ことを指し、かつ本人は「分かっていないことを分かっていない状態」を表します。

 

如何でしょうか?

お勉強が苦手な子供は多くの場合、親が作り出していることをご理解頂けましたでしょうか?

現実には、「とんびは鷹をうまない」し、「カエルの子はカエル」なんですね。

ただ、これらは、私が言っているのは、遺伝子レベルの話ではなく、育つ環境での話ですよ。まぁ、多少遺伝子レベルの影響があることも否めない部分もありますが。

(基本的な脳の神経細胞の構造や働き方は遺伝子で決まります。でも、同じ遺伝子を持つ人間(一卵性の双子など)でも、環境が異なることで、知能に大きな差が生まれることが分かっています)

 

子育てはやり直しができません。

だって、タイムマシンは今の時代にはないのですから。

だから、親自身が多くの事を学ぶべきですよね。

子供にやみくもに、「勉強しなさい」などと抽象的なことを言う前に自分がちゃんと人として学習しているか振り返ってみましょう。